第12話

るぅとクン が 告白するまでの 365日
632
2020/03/31 23:16


1月 .











な 「 あ ッ け まして

おめでとぉ ~ !!! 」


さ 「 おめっと ~ 」

莉 「 うえ ~ い 」

こ 「 おめでとう ~ 」

ジ 「 ことよろ ~ 」





僕ら 6人の 新年は , なーくんの 掛け声で 始まった .




… それも , なーくんの家で.




こたつで 6人 ぬくぬくと 温まり , それぞれが 持った グラスを 持って 乾杯をする .




る 「 ぷはぁ …

いや ァ , 1年経つの早いですね … 」


グラスに 注がれた 飲み物を 飲み干すと

あはは と 笑って その言葉とともに 噛み締めて .




な 「 とくにね … ジェルくん !!!


まじで 受験じゃン !!!

がんば ッ てね !!!?? 」


一斉に ジェルくんの方へ 視線を向ける .

ついに 受験 .

来月といった 所だろうか .




ジ 「 せやで ッ

頑張るな !!! ありがと ~ !!! 」


にひッ と みせる 笑顔 .

ぼくも 愛想笑いとともに 彼を 見詰める .

… 嗚呼 , あと 4ヶ月もしないうちに … .





本当に , 時の流れとは 忙しなく流れ

止まることの無い 時空 は , 泣いても笑っても 一定の速さを保つ .



… 1年というのは本当に

あ ッ と いう間のもので .


躊躇う暇もなく

もう , 僕らは 3年生になろうとしているのだ .


なんとも恐ろしい .





さ 「 ころんも 大学生だな ァ …

… あとは るぅりーぬが 3年 !!! 」


ぴしっと 人差し指を 僕ら2人に向ける さとみくん


笑うことしか出来ないね .







な 「 じゃ ~ さ ッ , 今から1人ずつ ,

今年の 抱負 を 言ってこー !! 」





ぱちぱち と 手を叩く リーダー気質 の なーくん .

皆も 賛同 したようで , まずは なーくんに 体を向け 耳を傾ける .

なーくんは 一息吸うと , 声を大にして言う .










「 天 下 統 一 ッ ッ !!! 」








ぶW







一斉に吹き出す 5人 .




こ 「 いや 天下統一 かよ !!! WWW 」

莉 「 ぶはは WWWWW 」

ジ 「 さすがやなWWWW 」


ケラケラと笑う .





流れ的に , というか 座ってる位置的に 時計回りで , 次は 莉犬だ .





莉 「 俺はね … ,


楽しい一年にすること !!! 」




最後の高校生活 .

全て めいいっぱい楽しむことを , 莉犬 は 宣言する .


最もだ .


僕だってできることなら …






でも



大切な人がいなくなった時 .


僕は もう 楽しいとかそういう問題でも なくなるくらい

沈んでいるんだろうな .







こ 「 は ~ い じゃ 次僕ね ~


僕は 力を 付けて …


るぅとくんを 倒します ☆ 」


てへぺろ ッ と

僕の方を見て そう言い放つ .



る 「 え 僕ですか ?? W 」


さ 「 おお ~ 」




いや おお ~ じゃないですよ! ‪w



全く … (





な 「 はいじゃ ~ 次さとちゃんかな ~ 」




さ 「 俺もねぇ ~ 楽しい一年にしたいなぁぁ …


うーん , ちゃんとする!!」


清々しくそう言い放つ彼。


こ 「 ざ ッ くり しすぎ W 」


あはは , なんて 皆で 顔を見合わせて笑う .





… 次は …





な 「 じゃ , ジェルくん い ッ ちゃ ッ て ェェェ !!! 」




ジェル くんの …



抱負 …









ジ 「 受験合格 !!! 」






にひっ と 歯を見せて 笑う 彼 .

その姿 は , 誰よりも かっこよかった … .





な 「 おおお ~ !!! 」




ぱちぱち と 手を叩く .


… ま , 分かってた .


このまま いけば ,

僕達は 離れ離れ . ッ ていうのも .





さ 「 応援してんぞ 」

莉 「 がんばってぇ ~ 」

こ 「 ジェル くん かまそぉ ~ 」

な 「 ころんそれ 俺の台詞 !! 」


笑いに包まれる ななもり家 .


る 「 … 頑張ってください .」




その一言で 僕は にこり と笑う .




さて , 最後は僕の番か …







5人 一斉に こちらを向く .

やはり , いざ 此方を 向かれると 恥ずかしくなる …

が ,


僕は ず ッ と決めていた .





る 「 … 僕は




後悔のない 1年 に します .」










僕は わざと ジェルくんと 目を合わせ , 軽く 笑う .


… みててね ジェルくん







僕絶対






笑って終わって みせるから __ .









2月


ジ 「 みてこれえええええええええ !!! 」





教室の ドア を 思い切り バァン と 開けると ,

ジェルくん は 叫び声と共に 5人を 振り向かせる .






な 「 なになに どしたの ジェル くん ~ ? ‪w 」



こ 「 る ッ さ ‪w 」


さ 「 どしたん どしたん . 」


莉 「 うわ , ジェル だ ( 」




口々 に ジェル くん へ 向けた 言葉が 飛び交う .

当然 僕も ジェル くん の 方を向いて , 耳を傾ける .




る「 … どうしたンですか ? 」




彼は 満面の笑み .

全面から 嬉しい という 気持ち が 伝わ ッ てくる ような 雰囲気 で ,






じ ゃ ン ッ !!!




と 自分で 言いながら , お洒落 な パッケージ の 箱 を 見せつける .





… それが何か ッ て .




僕は 一瞬で察した .










こ 「 え , ジェル くん それ … ッ !? 」



さ 「 チョコレート だ WWWW 」





な 「 … ジェルくん … チョコ 貰えない から ッ て 賄賂 は 駄目 だよ … !!! 」


莉 「 ふぁWWW

わいろ WWWWW 」




ジ 「 いや , 賄賂 してへんわ やめろ !!! WWW

いや 実はな ?

今日 朝 学校 来るやん ??

したら , 俺の 机ん中 入 ッ てん .

高校生活 最後に 青春 しちゃお ~ かな !!!? 」






ズキン ,


ズキン … ,











胸が痛い .

なんで , こんなの , 困らせるだけなのに .

やめて , 僕 , ダメだよ .







さ 「 ジェル が 1番に 彼女 できんの WWW 」

な 「 許せないね WWW 」


ジ 「 許せないてなんやねん!!! WWW 」










る 「 … はは . 」










愛想笑いしか 出来ないよ .









僕 痛いかな .





男 が 好きで .


初恋 が 男で .


今 この瞬間も .


初恋の瞬間から

現在進行形 で 片想い してて .





気持ちなンて

伝えられない 。


伝えられるわけない .














馬鹿だな . 僕 .







あと 2か月 で ,




ジェル くん は 卒業 なのに .











3月









ザァァ …











ひらひら と 舞い落ちる 花びら.



以前 ジェル くんに 誕生日 プレゼント を 渡したところ ,そして貰った場所 . 言わば 思い出の場所 に , 立っていた .







… ジェル くんと .













… ところが 呼び出したのは 僕じゃない .




相手から呼び出された .




別に期待をしている訳では無い




最初から 諦めた恋だと 分かっていたのに





… うるさいくらいに 心臓は 鳴り止まない .




馬鹿みたいだ .

両想いなんてあるわけないのに



ジェルくんも 真剣な顔しちゃってさ .




正気 になれ 自分 .

相手はジェルくんだよ 、






告白なんてされるわけ … ッ









ジ 「 るぅと ,




俺 , 言いたいことあって . 」





ドキン



ドキン





やめてうるさい






ドキン


ドキン





鳴り止め , 期待なんてしないで






ジ 「 俺さ … 」




ドキン


ドキン …

















ジ 「 受験 , 合格した . 」






















目を見開く










る 「 … お … ッ



おめでとう !!!!! 」







ぱぁ ッ と 顔を 明るくする 自分 .











照れくさそうな顔して , 頬を掻く 君 .






ジ 「 あは … ッ , 嬉しい . ありがとうな !! 」






る 「 うん !!! すごいですよ .

今度なんか 奢ります 」




ジ 「 まじ ?? やった W」

る 「 あはは … W

… あ , ジェル くん そろそろ . 」

ジ 「 … ほんまや .

授業始まる . わざわざ ありがとな ~ !!」


る 「 うん !! 」






バタバタバタ …
















る 「 合格 … か .」












最低だな . 僕









あんなに幸せそうな 顔した君に


悲しい の 一言 しか 思い浮かばなかった




好きな人の 幸せも 望めない


なのに 結ばれることばかり 考えて





叶うわけないよ こんな恋







ぽた … ッ


ぼた , ぽた …






る 「 … ッ ぅ … うう … 」




地面には 水の後が 何滴か みえる .



涙で歪んだ世界に 映り込む

桜の花びら







なンだか 妙に綺麗で








掴もうとしたのに



掴めなかった .
















振り向くと






そこは , いつも 僕が 待ち伏せしてた 渡り廊下 .




る ( あ , ジェルくん )


ジ ( げ , 腹黒るぅと や )


る ( 腹黒じゃないです !!!!! )









そんな しょうもない 会話ができるのが 大好きだった この場所 .




本当は僕


どうしたかッたんだ ッけ .






ここで言えなきゃ


もうこの場所 で


「 こんにちは 」


さえ 言えなくなるのに .









… 君を 困らせるから .






届かない思い 閉じ込めるんだ .







今僕が 2人の時計を

合わせることが出来たら ,








君と 普通の話 を


当たり前の日々 を …









… なんて , そうじゃないね






今好きになって くれなきゃ .





年の差なんて 関係ないのに




僕の勇気ひとつで



今 僕は幸せだったかもしれないのに





夢見るだけじゃ 変われない ッ て


もっと早く 気付けてたら





未来は まだ 続いてたかな







君じゃ


なければよかったなぁ …

























ね ェ , ジェル くん










… 最後の日まで




ず ッ と 好きでした









ありがとう .






さようなら .


























4月










な 「ころちゃ ~ ん !!! ジェルく ~ ん !!!」




甲高く 鳴り響く なーくんの 声 .


2人は 晴れ姿で , 此方へ 振り向く .






こ 「 なーくん … みんなぁ …」


さ 「 卒業 おめでとう 」

莉 「おめでとぉ ~ !!!」

きらきら と 輝く オレンジ と 水色の 髪の毛 .




「「 ありがと !!! 」」




2人の 声は 確実に みんなに届く .



そう 今日は





卒業式 .









ジ 「 … あれ ?







るぅと は ?? 」







人数が一人足りないことに気づく ジェルくん .




4人は 顔を見合わせる




そこで 覚悟を決めて 1歩前に出たのは 莉犬くん だ ッ た .









莉 「 … ジェル .


驚かないで聞いて欲しいんだけど

るぅと くん ね ,
















転校したンだ . 」







時が止まったかのように 一時停止する ジェル くん .

それもそうだ



何も聞いていないのだから .







ジ 「 … え ?? 冗談やんな ??

やめてよ そんな 嘘 W

卒業だから ッ て 笑えないで … 」









… 誰一人として 笑っていなかった 。





俯く ジェルくんに , 莉犬くんは もう一歩前へ .





莉 「 これ …



るぅと くん から . 」






ぴらっ と 差し出したのは


一通 の手紙 .












ジェル くん は それを受け取って











… それから どうしたんだっけ






おぼえてないや .








でも




家に帰って





一目散 に 手紙を 開けて .








それをみて



涙を流してたよね



















【 ジェル くん へ







卒業 おめでと

ちょうど 今日が 卒業か


早いですね ほんとに .


僕なんて まだ 実感湧きませんし .










ジェル くん ,




卒業してしまうのに


何も出来ないままです





だから せめて


自分の気持ち 伝えようかなって












… 僕の話聞いて貰えます ?? 笑







少し先に生まれた好きな人が



少し先に恋をしてしまって




一途 な ところが 大好きで


でも その代わり


僕の入る隙間なんて 少しもなくて




なんで君なんだろう ッ て

君じゃなければよかった ッ て


何度も思いました








君を困らせるから


届かない思いは 閉じ込めて




でも …

でももしあと1年


一緒にいられるんなら




なんでもします .


なんでも します … .




僕は こんな思い ,


ジェル くんにしてほしく ありません …





だから こうして 文字にして 形にして


伝えてるんですよ …






でも


僕は笑えてます


引きずらないで


笑えてます





それは





僕が したことは

1度も


後悔していないからです .






聞きますけど .



僕の してきたこの思いを ,


ジェル くんは 隠さずにいれると思いますか ??




こんな弱さを誰かに 見せることは出来ると思いますか .



拗ねたフリしたり

悲しいフリしたり




何度も かまって と 言いました



遠回しに .





秘密は 隠したい


けど 近づきたい




こんな初めての痛みをくれたのは



ジェル くんです .




文字だからこそ

今言います





ジェル くんが 合格の お知らせを くれた時


悲しくもないのに どうして

泣きそうな僕が いたンでしょうか






今日 目が合ったこととか

何気ないいつもの笑顔とか




髪型を変えたり

イメチェンして 舞い上がったり

無理な願掛けしながら 見つめたり .



ほんの些細なことでも嬉しくて .







毎日毎日



「 好き 」

を言わせてと

何度も 思いました





でもこれからは


言いたい , 言いたくない じゃない .






言えない .


それだけなんです





もう 目が合っただけで 嬉しさを もらうことも

話すだけで 溢れる ドキドキも


感じることすら出来ないんです






悲しいですよ






でも ,




思いは 変わりません



僕は永遠に



ジェルくんが好きです




始めて僕にくれたんです



好きという 気持ちを






… 1度だけ言えたあの日も



何も言えず終わる今日も







… 君でよかった .





… ジェル くん



始めての恋を ありがとう


始めての好きをありがとう





最後まで ずっと


好きでした











さようなら .










るぅとより 】


















そうして僕は












ジェルくんとの恋を





終わりにする





































はずでした 。
















つづく








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