そして、
1年後
春
僕が今 立っているのは
2年生まで 通い続けていた 学校だ .
変わってない 。
あそこに 桜の木が 3本連続 で並んでて
あっちの壁には 落書き .
そっち の 方面には …
…
大好きだった
渡り廊下
… 今 は 連絡もとっていない
彼が どこにいるのかも 分からない
… それでも
僕は …
ジ 「 … るぅと ? 」
… え .
僕は 瞬時 に 振り向く
… この声
る 「 ジェルくん … 」
いつも
会うだけで
顔を見るだけで
笑顔になれた
君の …
ジェル くん の 声 .
ジ 「 … 久しぶりやな 」
る 「 そっちこそ ,
襟足 伸びちゃって ヤンキー みたい です 」
ジ 「 るぅとには 負けるけどな 」
る 「 なんですかそれ笑 」
懐かしい あの時の 光景
目に浮かぶように 焼き付けられる 桜の木 .
ジ 「 なぁ , なんで俺に何も言わずどっか 行ったん 」
…
僕は 振り向く .
る 「 その方が僕のこと
忘れられなくなるかなぁ ッて . 」
久しぶりに君の前で うかべる 笑顔
る 「 … 作戦通りだったんじゃないですか ?
見事に 僕しか見えてない 」
君の エメラルド色した 瞳を見つめては そう言って
ふふっと笑う
ジ 「 せやな
お前にまんまとやられた 」
る 「 … え ?? 」
なんのこと ??
そう 聞こうとした時には もう
僕 は ジェルくんの 腕の中にいた
ジ 「 待たせてごめん
俺 るぅとのこと 好きやねん 」
ず ッ と 聞きたかった 言葉だった
ふわりと笑う
る 「 僕もです … 」
そして
再会を果たした 2人 .
後に歌われた あの歌は
きっと …
ひと息吸って
1歩踏み込め
ひとつひとつ
やがて 実を結ぶよ
使い古した道具を
くたびれたリュックに詰める
まだ
終わるには 早い
往生際 は 少し悪くて
昔から 見てる夢は変わらない .
誰も知らない
君と僕のストーリー
靴の 跡は
見向きさえされないけど
この舞台は 僕が主人公 .
きっと
最後にはエンドロールで
笑って見せよう .
ぬかるみに 足を取られ
転ぶ時もあるけど
立ち上がる度 想い 増すんだ
諦めだけは 苦手だから
積み重ねたものは 捨てきれない
誰も知らない
君と僕のストーリー
傷の数は 僕だけが分かればいい
この舞台は 僕が主人公
誰も退屈はさせないから
誓うよ ___ .
Do it
Do it
Go my way .
前へ
ひと息吸って
1歩踏み込め
ひとつひとつ が
芽を 吹く
誰も知らない
君と僕のストーリー
靴の跡は
見向きさえされないけど
この舞台は
僕が主人公
きっと 最後には
エンドロール で
笑って見せよう .
END
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!