あの後、テヒョンとヨジャは「これから、出掛けてくるから」とか言いながら二人で寄り添って歩いて行った。
そして、テヒョン達が居なくなってから私は体中の力がすっと抜けたかのように崩れ落ちた
するとグクは大事なガラス細工を触るように私の背中をずっと撫でてくれていた。
グクは
「大丈夫、大丈夫…」と言いながら……
そして、どのくらい経ったのだろう__
時計を見てみると、夕暮れ時をさしていた
あなた『もう、帰らなくちゃ…』
そう私が言うと
グク「でもあなたヌナ、テヒョニヒョンと一緒に住んでるんでしょ…?」
そうだよ…住んでるよ……
だけど
あなた『テヒョンはいつも明け方に帰ってくるから大丈夫だよ…』そう言った。
すると、グク君は私のことを力いっぱい抱きしめて、
グク「ヌナ…ヌナッ……」
グク「もう、抱えこまなくていいんだよ…?」
その言葉を聞いた瞬間、私の中のなにかがプチッと切れるようにいきなり涙が頬をつたった
それからは涙が止まらなかった
それでもグク君はずっと私のことを抱きしめて離さなかった__
私はその行動に妙な安心感を感じた
グク「ねぇ、ヌナ…」
グク「今日お家に帰りたくないでしょ?」
そりゃそうだ。だってテヒョンと同じ空間にいるだけで前も辛かったのに、もう事実わ知ってしまった以上、もっと辛くなってしまったのだから__
あなた『そうだね…』そう私が言うと
グク「んじゃあ、僕の家にきますか…?」
あなた『…え?』
グク「あ、別に無理にとは言いませんから」
あなた『……行く』
グク「フフッㅋㅋそれじゃあ”帰りましょう”? あなたヌナ…』
私はこの時、もう一つの家ができた気がした__
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。