第5話

‥新歓‥
12,871
2020/03/22 10:20
【次の日】



新入生歓迎会
mob
mob
それじゃあ次は、3年生からのパフォーマンス!!どうぞ!
生徒会の人がマイクをもって元気に言うと、ステージの証明が消えた。
クラスメート
クラスメート
なになに……?
クラスメート
クラスメート
3年って言ったらやっぱり……
ざわざわと騒がしくなった会場が、スポットライトを浴びたステージの中心に立つ生徒に視線を集めた。



……あれって__。

視線の先には、王子様の格好をした男子生徒。
及川 徹
及川 徹
みんなぁ~!
入学おめでとっ!
王子(徹くん)が両手をバッと広げると、会場が一気に沸いた。

クラスメート
クラスメート
きゃぁぁぁっ!!!
やっぱり!!
mob
mob
及川先輩だぁぁぁ!
1年だけではない。

2年生も大盛り上がりを見せ、今日1番体育館が元気になった。
mob
mob
なんと!
登場したのは去年のミスターコンテスト優勝者!!
及川徹先輩だぁぁ!

……ヤバイ鼻血……ティッシュティッシュ!!
みすたーこんてすと……?

そういえば文化祭でやったとか言ってたような……。
及川 徹
及川 徹
それじゃあこれから、このガラスのくつがぴったりと合うお姫様を新入生の中から探していくよっ!
そう言うと、ステージ脇から赤いクッションの上に透明なヒールのくつを置いて運ぶ召し使____。





お兄ちゃん!?
岩泉 一
岩泉 一
……
及川 徹
及川 徹
~っぷぷっ
めっっちゃ嫌そうな顔のお兄ちゃんに、徹くんはお腹を抱えている。

ステージから降りた2人は、ゆっくりと歩きながら新入生の女の子の足にくつをあてがっていく。

もうものすごい盛り上がりだ。

足に触れられた女の子は言葉を発さずに、周りの子達が甲高い声をあげる。




それにしても……。
クラスメート
クラスメート
ね、ねぇ……なんか背の高い女の子ばっかり相手されてる……
クラスメート
クラスメート
いいなぁ……
私のとこ来ないかな?
そう。

なぜか徹くんは背の高い子達に声をかけていって、くつが合わないとふるふると首を振っている。


こんなに何人も履いていて1人もぴったりの人がいないなんておかしい……。





と、2人は私が座っている列の端にいた女の子に声をかけた。




……今、チラッとこっち見なかった?
及川 徹
及川 徹
あぁ……貴女も合わない……一体愛しの姫はどこへ…………(ニヤッ)
はい確定徹くん確信犯だこれ。


案の定、列の真ん中の方に座っていた私にわざわざ声をかけてきた。


流れ的に断るわけにも行かないし、通路に出る。




スポッ
及川 徹
及川 徹
…………おぉっ!!なんということだぴったりではないか!
……おいおい。





わざとらしすぎる演技なのに、会場は大きく盛り上がる。

もう私の近くにいる女の子とか発狂してるし。

クラスメート
クラスメート
何あの子!!
羨まし……
mob
mob
あの1年生……前及川先輩と一緒にいた……
ほらほら、もう、あかんですって。
及川 徹
及川 徹
貴女をずっと探していました……
さぁ。共にあのお城へ行きましょう!
あなた

身内にサービスしてどうするのさバカ!

手を引いてくるので声を潜めて言うと、お兄ちゃんがこっちを向いた。
岩泉 一
岩泉 一
すまんな。攻撃の的にするのは可愛そうだろ?
あなた

私ならいいって言いたいの!?

及川 徹
及川 徹
まぁまぁっ。何かあっても俺が守るから……
さぁ姫、こちらへ……




当然このあと、えらい視線を向けられた。

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