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私が食堂に着いた頃、藍さん達は先に食べていた。
そう言われて、私も食事を始めた。
今日は藍さんと自主練を見に行く。
バレー部はそろそろご飯の時間だから
自主練はもう終わりだと思うが、
まだ来なかった。
私たちは食べ終わり、藍さんとすぐに
第三体育館に向かった。
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そこには京治くんたちがいた。
いつもは近くで見れなかったので
今日は少しだけ近くで見れて嬉しい。
木兎さんが私たちに気づいた。
そう言って練習を終わらせて
食堂に向かう彼ら。
すると京治くんがこっちに向かってきた。
彼はわたしの頭をわしゃわしゃっとして
バレー部のみんなのところに言った。
この感じが久しぶりで懐かしかった。
昔、試合を見に行った時によくしてくれていた。
嬉しかった。
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次の日、朝起きて準備をしてから
体育館に行った。
ギャラリーは空いてると言っていたが
バレー部ファンの子たちでいっぱいだった。
そこには京治くんファンもたくさんいて
少し嫉妬してしまいそうなので
私は少し遠くから試合を見ることにした。
高校生になった京治くんは
身長も伸びて、大きく感じた。
もちろん、幼い頃から見てきたので
成長しているのは感じていたが
離れていた3年分、京治くんは
身体的にも精神的にも成長したんだなと感じる。
高校生になってから
試合を見たのは練習試合ばっかりで
インターハイ予選や春高予選などの
公式の大会を見たことがない。
というより、決勝戦は全国応援になるので
それ以前の試合を自分の足で見に行ったことがない。
だから今年は藍さんと見に行く約束をしているんだけど、少し恥ずかしい。
でも、京治くんのためなら
どこにだって行こうと思っている。
今日も京治くんはかっこいいなあとか思っていると、クラスの子から電話がかかってきた。
学園祭の準備をそろそろ始めると言われたので
私は教室に向かった。
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学園祭の準備もあと少しで終わるので
4連休中はもう集まらないことにした。
順調に進んで何よりだ。
私は食堂に向かって昼食の支度を始めた。
今日もみんな喜んでくれるといいなあ。
実は今日は橋本先輩のお誕生日なのだ。
橋本先輩は午前練だから、
午前中に私が梨のタルトを作ることになっている。
そして夕飯の時に、みんなで食べることになっている。
ちょっとしたプレゼントも個々で買っており、
橋本先輩には内緒にしている。
私は昼食はちゃちゃっと済ませ、
ひとりで梨のタルトを作っていた。
みんなの分の昼食はもうできているため、
藍さんに連絡をして食べにきてもらった。
サプライズ…成功するといいなあ…!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!