今日は菜奈とバレー部の見学に行く日。
京治くんがいると知って
楽しみで全然眠れなかった。
全ての授業を受け終わって
体育館に向かう
碧くんが声をかけてきた
菜奈と碧くんは昔からこんな感じだ。
碧くんも小学生の頃から
バレーボールをしていたので
バレー部に入るつもりだと話してくれた。
3人で体育館に向かうと
入り口は女子でいっぱいだった
バレー部のファンの子たちだろうか。
先輩方も何人かいる。
彼女たちが指をさしていたのは
セッターをしている京治くんだった。
(そりゃ、モテるよね…)
昔から京治くんはモテていた。
試合を見に行くと必ず
女の子に囲まれてなかなか話せなかった。
木兎さんがそう言って
部員たちは休憩に入る。
私は京治くんを探したが
背が低く周りに人がたくさんいたので
見つけられなかった。
すると……
木兎さんと京治くんが
話している声が聞こえた。
菜奈が木兎さんに声を掛けると
木兎さんは私に気付いて
声をかけた。
木兎さんの後ろに京治くんがいる。
でも、顔を見れなくて私は俯いたまま
お礼を言った。
京治くんが私の名前を呼んだ。
小さな声だったが、私にはよく聞こえた。
(ど、どうしよう…)
木兎さんが気を利かせて
京治くんにそう提案した。
でも京治くんはきっと
まだ練習中だからダメだと言うだろう。
案の定、京治くんはそう答えた。
でも少しだけ悲しかった。
せっかく再会したのに一言も話せてない。
すると京治くんが耳元で
と、言ってきた。
久しぶりに再会して
顔を見るだけでも緊張しているのに
いきなり耳元で話されたら…!
心臓の音が鳴り止まなかった。
京治くんを見ると
私を見ながら笑ってくれた。
_________ドキドキしてしまった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。