第8話

- episode 7
340
2020/08/28 00:54
____________ akaashi side...
もう4月。
高校生になって2回目の春が来た。

高校2年になった俺は
いつも通り学校に向かった。

木兎光太郎
木兎光太郎
あかーしおはよ〜
あくびをしながら
眠そうな声で挨拶をしてきたのは
俺の先輩の木兎さん。

赤葦 京治
赤葦 京治
木兎さん、シャキっとしてください
木兎さんはいつもはこんな感じだけど
バレーの試合になると
とても魅力的なプレーをする。

普段からもっとしっかりしててくれ…。
と、いつも思う。

____________今日は入学式。

新入生がたくさんいるので
各部活動の新入部員勧誘にも力が入る。

推薦で入った新入生以外にも
バレー経験者、未経験者問わずに
毎年勧誘している。
もちろん、マネージャーも大募集中だ。

都内でも強豪校である梟谷学園だが
マネージャーは各学年に1人で
部員との恋愛は禁止されている。

男目当てで入りたいと言ってくる女子は
毎年多数いるが、今年はどうなるんだろうか。
木兎光太郎
木兎光太郎
あー、赤葦。勧誘行くぞ
赤葦 京治
赤葦 京治
あ、はい
こういう時だけキャプテンらしい
行動をする。
よく分からない人だ。この人。

そう思いながらも勧誘は順調に進んでいく。

明日から部活動見学が可能になるため
木兎さん含め、他の部員たちも気合が入ってるみたいだ。
赤葦 京治
赤葦 京治
木兎さ、ん…
俺が木兎さんに声をかけると
返事はなく、振り返ると彼はそこにいなかった。
赤葦 京治
赤葦 京治
あの人は何やってんだ…ッ
もうすぐミーティングがあるのに…!

面倒な事になったが、
木兎さんを探さないと
ミーティングは始まらない。

仕方なく、3年生と俺で探す事にした。

______十数分後。

ようやく木兎さんらしき人を見かけ、声をかける。
彼の横には女子が立っていた。
顔はよく見えなかったが。
赤葦 京治
赤葦 京治
木兎さん!何してたんですか。
ミーティング始まりますよ
木兎光太郎
木兎光太郎
あーごめんごめん!
喉渇いて飲み物飲もうと思ってたんだけど、
俺今日水筒持ってくるの忘れたから買いに行ってた
赤葦 京治
赤葦 京治
声かけてから行ってくださいよ
木兎光太郎
木兎光太郎
いやぁ、すまん!ハハ!
あ、そうだ!あかーし!
赤葦 京治
赤葦 京治
なんですか
木兎光太郎
木兎光太郎
おれ、マキちゃんって子に会ったよ
彼がその名前を出してきたので
びっくりした。

マキ…は、俺の好きな人だ。
あんまりこういうことを人に話したりはしないが
木兎さんならいいかと思い
茉希の話をしたことがある。
赤葦 京治
赤葦 京治
茉希、梟谷にいるんですか
木兎光太郎
木兎光太郎
あかーしの好きな子か
どうかは分かんないけど
名前はマキちゃんだった気がする
マキが梟谷に来ているのなら、
あの時伝えられなかった俺の想いを
ちゃんと伝えたいと思った。

いつか、会えるかな。マキ。

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