第14話

- episode 13
312
2020/08/30 23:45
女子生徒
女子生徒
あ、赤葦先輩…
京治くんに声をかけていたのは
同じクラスの子だった。

京治くんはまだ練習着を着ていた。
(さっき終わったばっかりなのかな…)
赤葦 京治
赤葦 京治
ん?どうしたの?
女子生徒
女子生徒
あの…えっと…
赤葦 京治
赤葦 京治
ん?
盗み聞きは良くないってわかってる。
でも、気になる…

女子生徒
女子生徒
あの!私!
中学の時から赤葦先輩が好きでした…
(こ…告白…!)

私はずっと京治くんを見てきたけど
こうやってずっと好きだったっていう子は
私以外にもいるんだな、と思った。

一歩も踏み出せない私と違う
彼女は羨ましかった。
赤葦 京治
赤葦 京治
あ…
女子生徒
女子生徒
つ、付き合ってください…っ!
(京治くんは何も言わないの…?)
赤葦 京治
赤葦 京治
告白…してくれてありがとう
女子生徒
女子生徒
じゃあ…!
赤葦 京治
赤葦 京治
でも、ごめん。
俺、好きな人いるんだ。
(え…好きな、ひ、と…?)
私も知らなかった。
京治くんはただバレーが好きで
女子になんか興味ないんだろうなって
思っていたから…

(そうか…そうなんだ…。京治くん好きな人いるんだ…)

ショックだった。
悲しかった。
告白もしてないのに失恋した。
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
京治くんの…バカ…ッ
好きな人いるならあんなこと言わないで…
悲しくなって
気づいたら家まで走っていた。

携帯を見ると京治くんからの着信。

京治くんには
体調が優れなくて先に帰ったと連絡した。

明日も会いたくない。

せっかくたくさん話せると思ったのに…
まともに顔見れない…

人生で初めて失恋をした。


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家に帰ってから料理をするも
気力がなく、ボーッとしていたら
火傷をしてしまった。

今日は手を抜いてしまった
いつもはちゃんと作るのに
作り置きのものをパパッと出して
あとは魚を焼いただけ。

夏希にも心配された。
大丈夫ではないが、顔には出さないようにした。

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父が帰ってきて3人で夕飯を食べる。
父に部活の話をした。
快くOKしてくれたので
明日藍さんに言いに行こう。

部屋に戻る。
(今日はベランダに出るのやめておこう)
きっと京治くんもベランダに出ているだろうから。

その日から私は京治くんを避けるようになった。
京治くんの恋の邪魔はしたくないから。

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