第4話

- episode 3
367
2020/08/27 14:00
部活動の新入部員の勧誘が
至る所で行われている。

菜奈についてきたはいいものの、
人が多すぎて、はぐれそうになる。
時岡 菜奈
時岡 菜奈
茉希〜、大丈夫?はぐれないでね?
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
う、うん。
私はボーッとする事が多いため、
人混みに入るとよくはぐれてしまう。

ちゃんと菜奈についていったはずなのに、
前を見ると菜奈はいなくなっていた。
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
あ、れ…?菜奈…?
周りを見ても知らない人だらけ。
菜奈は先に行ってしまったのだ。

ドンっ

小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
わっ…
誰かにぶつかった。
木兎光太郎
木兎光太郎
あぁ!ゴメン!大丈夫?
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
あ…はい…
立っていたのはジャージを着た男の人だった。
木兎光太郎
木兎光太郎
ならよかった!君、1年生?
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
そ、そうです…
彼は笑顔で話してくれた
木兎光太郎
木兎光太郎
そうか!1年なのかあ!
1年にもこんな可愛い子いたんだなァ!
そう笑いながら言っていた。
少しだけ嬉しかった。
木兎光太郎
木兎光太郎
俺は木兎 光太郎(ぼくと こうたろう)だ!
3年でバレー部のキャプテンだッ!
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
バ、バレー部…。
わ、私は小鳥遊 茉希です…。
木兎光太郎
木兎光太郎
茉希ちゃんね!よろしく!
(茉希って…あの…?)
そう言って木兎さんと話していると、
ある人の声がした。
男子生徒
男子生徒
木兎さん!どこいるんですか!
どこがで聞いた事がある声だった。
でも思い出せない。

どこか懐かしくて切ない声。
でも、温かくなる声。
木兎光太郎
木兎光太郎
ゲッ…。探しにきたか〜ッ
嫌そうな顔をした木兎さん。
木兎光太郎
木兎光太郎
ゴメン、茉希ちゃん。
俺そろそろ行かなきゃだわ。
学校で会ったらまた話そう!
そう言って彼は去っていった。
名前を呼んだある男の人の元へ。
木兎光太郎
木兎光太郎
あかーし!!!
聞き覚えのある名前だった。
あかーし…。

まさか、と思い、私はその2人を探した。
時岡 菜奈
時岡 菜奈
え、ちょ、茉希!何してんの?
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
あ、菜奈…!
時岡 菜奈
時岡 菜奈
探したんだからね?!
はぐれた私を探してくれていたみたいだ。
菜奈の横にある男の子がいた。
安藤 碧
安藤 碧
茉希、何してんだよ
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
あ、碧くん…
安藤 碧(あんどう あおい)
私の幼馴染みだ。
碧くんは中学も私立だったため、
私たちとは違ったけど
高校でまた一緒になった。
時岡 菜奈
時岡 菜奈
ところで、そんなに慌ててどうしたの?
菜奈にそう言われて私は事情を話した。
時岡 菜奈
時岡 菜奈
あ、赤葦先輩が?
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
う、うん。
名字が一緒ってだけで
本当に本人がいるかどうかは分からないの。
安藤 碧
安藤 碧
赤葦先輩って…あの?
そう、私が探していたのは
赤葦という人。

私の初恋の相手_____________
赤葦 京治(あかあし けいじ)だ。

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