第6話

- episode 5
354
2020/08/27 15:53
京治くんがこの学校にいるかもしれない
という事がわかって校内を探してみたものの
全然見つからず、夕方になってしまった。
安藤 碧
安藤 碧
今日はもう、帰ろう…
時岡 菜奈
時岡 菜奈
そうだね。また明日体育館に行ったら会えるかもしれないよ?
そう、木兎さんを探していたので
おそらく京治くんもバレー部だと思う。

昔からバレーをしていたので
今でも続けている可能性は高い。
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
そうだね。また明日探してみるよ。
そう言って私たちは解散した。

______帰り道

菜奈は私が京治くんのことを
まだ好きなのを知っている。

時岡 菜奈
時岡 菜奈
まさか赤葦先輩がいるとは…
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
まだ本人かどうかは分かんないけどね…
時岡 菜奈
時岡 菜奈
でも、いる可能性は高いんじゃない?
だってウチの高校、都内でも強豪なんでしょ?
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
う、うん…
そう、私立梟谷学園高校は
都内でも有数のバレーボール強豪校だ。
インターハイ、春の高校バレーには
毎年出場している。

時岡 菜奈
時岡 菜奈
だったらいるんじゃない?
赤葦先輩、バレー上手いし
京治くんは小学1年生の頃から
バレーボールのチームに入っていた。

でも、本当に梟谷にいるのだろうか。
他の強豪校に行ってるかもしれないのでは…
時岡 菜奈
時岡 菜奈
まあ、また明日探してみよ!ね?
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
う、うん…
菜奈は明日も協力してくれるらしい。
本当に有難い。

高校の帰り道。
少しだけ寄り道しようと菜奈に言われ
コンビニに入った。

すると…
木兎光太郎
木兎光太郎
あっれ…、茉希ちゃん!
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
ぼ、木兎さん…っ!
木兎さんに出会った。
菜奈は不思議そうに彼を見ていた。
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
あ、この人は木兎さん。
バレー部の主将さんだって
時岡 菜奈
時岡 菜奈
あ、よろしくお願いします。
木兎光太郎
木兎光太郎
うん!君は?
時岡 菜奈
時岡 菜奈
時岡 菜奈です。
茉希の幼馴染みで…
木兎光太郎
木兎光太郎
菜奈ちゃんか!よろしく!
菜奈と木兎さんは楽しそうに話していた。
2人とも明るい性格だから
気が合うみたい。

小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
…フフッ
思わず笑ってしまった
時岡 菜奈
時岡 菜奈
ちょ、何笑ってんの?
小鳥遊 茉希
小鳥遊 茉希
あー、ごめんごめん。
なんか会ったばかりなのに
もう仲良くなってるなあって思って
私も菜奈みたいに
明るくて元気な性格だったら
周りの人とももっと気軽に話せたり
するんだろうなと毎回思う。
木兎光太郎
木兎光太郎
茉希ちゃんも菜奈ちゃんも
優しくていい子だなッ!!
木兎さんはそう言ってくれた。
まだ出会ったばかりなのに
この人はいい人なんだろうと思えた。
3人で話していると
木兎さんが誰かが来たのが見えたみたいで
手を振って呼んだ
木兎光太郎
木兎光太郎
おーっ!こっちだ!こっち!
彼が手を振っている方を見ると
そこにいたのは…
赤葦 京治
赤葦 京治
何してたんですか、木兎さん。
私が聞き慣れた声。
温かくて優しい声。
私の大好きな声。

そう、京治くんだった。
木兎光太郎
木兎光太郎
悪りぃ!お腹すいたから寄り道してた
そう言って京治くんなら謝る木兎さん。
京治くんは昔から
母親っぽいところがあったけど
今も健在だった。

昔と変わっていない京治くんの姿に
少しだけホッとした。
時岡 菜奈
時岡 菜奈
え、ちょ…!赤葦先輩じゃん!
菜奈は小声で私に言った。
私も本当に京治くんがいるとは思わなくて
心臓の鼓動が早くなるのが自分でもわかった。

こんなところで再会するなんて…
思ってなかった。

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