第6話

いない2人
3,391
2019/01/15 16:06
あなた

んん…

起きると、ふぉいが何かごそごそ探してる


肩にかけられたジャケット


ふぉいの匂いがする


冷え切った体を温めるように、肌を擦る


あなた

ふぉい…?何してるの…?

ふぉい
ふぉい
あ、起きたんか 
あなた寒そうだったけん、なんかかけようと思って
あなた

あぁ…ありがと、

あなた

ふぉい、こっち…

頭がぼーっとして、顔が熱い


寒くて寒くてたまらない


ふぉいに手を伸ばす
ふぉい
ふぉい
どした…っ、おいおい
あなた

寒いから…こうしてて…

ふぉいに抱きついて、強く抱きしめた


ふぉいはそのまま抱きしめ返してくれる


ふぉい
ふぉい
…あなた…?ちょっとこっち向いて
ふぉいのおでこと私のおでこがくっついた


ふぉい
ふぉい
熱…でとる…
ふぉいは焦ったように、ドアを開けようと叩く
あなた

ふぉい…?大丈夫…?

ふぉい
ふぉい
あなたはじっとしとき
バンバンとすごい力でドアを蹴る


するとバンっ、と大きな音を立てて


ドアが開いた


旧倉庫だったからか、ドアが緩かったみたいで…
あなた

はっ…開いた…

あなた

あり、がと…ふぉい…

視界が眩む


体が冷たい


瞼が重い












私はその場に倒れこんだ
ふぉい
ふぉい
あなた…!!!










































脇side





あなたに振られて、気まづくなって


話せなくて、近づけなくなった


勇気を出して目を合わせても、そらされてしまって。


フェスの時、あなたの横を横切る


ふわっ、と香る女の子っぽい匂い


露出の激しい服






みんな、見てるのに


変な男どもが。
まる
まる
うわ、あなたちゃんかわいか!
脇
なに見とんねん
まる
まる
うー!怖い怖い












あなたが俺を見つめる視線がわかる


ドクンドクンと心臓が高鳴る


かっこいいところを見せなきゃ























って、なに言ってんだよ俺









もうとっくに振られて諦めるて言ったはずなのに








嫉妬して、傷ついて










ズルズル引きずってんなぁ…
脇
はぁ…
あなたのダンスの番になった


腰を揺らすあなたに、視線を奪われた


綺麗で、エロくて、女っぽくて























思い出す、あなたを抱いた時。


あの感覚、


甘くとろけた声


俺を求めるあなたに


余計に虜になった










脇
っ…なに考えてん、俺



フェスが終わり、みんな帰るってなった時




DJ社長
DJ社長
あれー?ふぉいは?
まる
まる
あーいないね
銀太
銀太
どこか行ったんじゃないすか?
脇
でもあっちに荷物あったやん
DJ社長
DJ社長
…まぁ、家で待っとこうー
そのうちくるやろ
銀太
銀太
そうっすねーー




すると、あなたと一緒に踊ってた子が何かを必死に探してる


そして俺らに話しかけてきた
まひろ
まひろ
あ、あのっ…!
DJ社長
DJ社長
んー?
まひろ
まひろ
あなたっ…見ませんでしたかっ…
DJ社長
DJ社長
ってよ、脇
脇
は?俺?俺は見てんよ
まる
まる
なんかあったん?
まひろ
まひろ
あの子…薄着なのにっ、戻ってこなくて…!
連絡も取れないし、上着とか荷物もあったしっ…!
脇
いない…?
DJ社長
DJ社長
なーんか、ふぉいと関わってそうやなぁ
息を切らして、汗を垂らしたその子
俺は無意識に走り出してた


社長が、ふぉいと関わってそうとか言うから


余計不安になって。


あなたは可愛いし、


力も弱いし、無防備で鈍感だから


すぐに襲われる


しかもあの格好なら尚更だ、


















もし…手出してたら…



考えるだけで頭がおかしくなりそう、!!






























でも、見つからなかった


後からあなたの友達の子のまひろ?って子に聞いても


いない、荷物もある、とまだ見つかってない


もう時間は6時半を過ぎてて、











風がどんどん冷たくなっていた。
脇
あんたはもう帰っていいよっ…俺が探すからっ、
まひろ
まひろ
いえ、2人で見つけた方が早いんで
脇
…そうやね、
まひろ
まひろ
あなたは…あなたのことが好きだと思います
脇
…え?
まひろ
まひろ
あの子、元彼が元々浮気性で
二股されたりしてたんです
でも、好きだからって…別れなくて
まひろ
まひろ
で、その結果
あっけなく捨てられたんです
つまらない、飽きた、って
まひろ
まひろ
だから、浮気性だったり
女にベタベタする人は嫌いなんです
だから自分でわかってても認めないんだと思うんです
まひろ
まひろ
あなたに本気だ、ってことを見せてあげてください
あの子、正直じゃないから。
脇
…ん、ありがとう
脇
俺頑張るよ
すると、俺の携帯が鳴った


ふぉいからだ…!
脇
もしもし!?
ふぉい
ふぉい
脇!!旧倉庫に来て!
あなたがやばい!
脇
すぐ行く!!
脇
旧倉庫にいるみたいやけん、行こ!
まひろ
まひろ
はい…!
走って行くと、旧倉庫の扉が開いている


そして、二つの人影が見える


ふぉいとあなた


でも、あなたの様子が変だ…
脇
ふぉい!!
まひろ
まひろ
あなた!?
ふぉい
ふぉい
気失ったんよ、早よ運ばんと…
脇
俺が行く
脇
ふぉいをお願い
まひろ
まひろ
あ、はい…
あなたを持ち上げて、すぐに大学の保健室へいく


あなたはすごく冷たくて、


とにかく、焦った










もっと早く見つけていれば、もっと早く…!


そう後悔した




















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