第113話

ひゃくなな
2,145
2022/03/04 22:00
耳に馴染むバイブ音。




はるからの電話。


あなた
もしもし
三途春千夜
三途春千夜
も"、しもし……ッッッ
あなた
ん?どした〜?



鼻声のはる。



来たか。



三途春千夜
三途春千夜
マイキーが、亡くなりました……ッッッ
あなた
………なんで?
三途春千夜
三途春千夜
マイキー自ら、命を絶ちました………
あなた
………そっか
三途春千夜
三途春千夜
俺はこれから、どうすれば……?


とりあえず
これからのことを伝えないと……


あなた
………幹部には連絡した?
三途春千夜
三途春千夜
まだ、です
あなた
じゃあ連絡しな。
遺体は?
三途春千夜
三途春千夜
回収出来ませんでした……
あなた
分かった
梵天は多分解散、又は次期首領は貴方よ。
しっかりしなさいね
三途春千夜
三途春千夜
!、………でも、俺には
トップなんて………ッ
あなた
尊敬する人の跡を継ぐのよ?
こんな光栄なことないでしょ
それに、はるは出来る子だよ
だって私のセーヴァントなんだから



しばらく宥めていると、
はるの方からザワザワと音が聞こえてくる。



どうやら部下が来たらしい。



あなた
はる、後はアンタの仕事をしろよ。
三途春千夜
三途春千夜
うっす……ありがとうございます
あなた
ううん、はる
愛してるよ
三途春千夜
三途春千夜
俺も………愛してます



電話を切ると、
再び部屋に静寂が訪れる。







その中、私はポツリと呟いた。


あなた
あーあ、ゲームオーバー



私はここまでしか原作を知らない。



もう終わりか。



まあ、つまらなくなってきたとこだし、いっか。






私はキッチンから
ついこの前買った高級なワインを取り出す。


そういやこれを買った時、
一緒に飲もうって約束したっけ。



私はそれをワイングラスに注いで
勢いよく飲んだ。



何杯か飲むと、
そろそろ半分に達することに気がつく。




私は、はるの部屋に入って
薬を拝借。


ワインでそれを胃に流し込んだ。





最後の一口を飲み終える。




酒には強い方なので、まだまだ飲めそうだが
やめておこう。



はるの分が無くなってしまう。









耳に付いたピアスを外していく。



"フタゴムシ"のやつ以外、全部。




机の上に置いて、
真っ白なメモと、
はるが愛用していたペンを取り出す。















バルコニーに出れば、
サファイアみたいな夜が視界いっぱいに広がった。



初夏の空気を思いっきり吸い込んで、
吐く。






今日はどうやら、_______日和らしい。




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