第115話

ひゃくきゅう
2,314
2022/03/06 22:00

春千夜side




マイキーが死んだ。




こういう時は彼女に言うのが吉だ。



パニックになりかけている脳をフル回転させて
あなたさんに電話をかけた。






やっぱり彼女は聡明な方だ。




幹部たちが来たあと、
とりあえず俺は帰されることになった。




心的ショックが大きかったためだ。




見慣れたマンションにたどり着き、
エレベーターに乗り込む。






あぁ、はやく帰ってあなたさんに触れたい。



そう思い、勢いよくドアを開けるが、
音沙汰がなかった。






………何故だ。








三途春千夜
三途春千夜
あなた………さん………?




リビングに行ってみると、
机の上に、あの綺麗な字で書かれたメモがあった。






" 飽 き た "




それと共に置かれたワインの瓶と、
ワイングラス。








それだけで、全てがわかった。





俺は一目散にかけ出す。





階段を使って下まで降りて、
うちの下あたりに………






三途春千夜
三途春千夜
あなた、さん……………
 




絶句。



絶望。



今の俺の表情は、正にそれだろう。




だって目の前には……
あなたさんのぐちゃぐちゃになった亡骸………










あぁ

ああああ



あああああああああぁぁぁ





あああああああああああああああああああああああああああ






三途春千夜
三途春千夜
あなたさん…………あなたさんあなたさんあなたさんあなたさんあ"あ"あ"あ"あ"あああああああああぁぁぁ




喉が壊れるほどに叫ぶ。





もう………なにもかもどうでもいい………




あぁ!そうだ!





俺もあなたさんに着いていけばいいだけの話か!!



もうあの眩しい笑顔を見れないなんて、




あの綺麗な声を聞けないなんて、




あの滑らかな手つきが見れないなんて、






きっと嘘だ!!!





そっかそっか


俺も着いて来いって言いたいんですね?!





だってそうでしょ?!







"フタゴムシ"のピアス……





まだしてるじゃないですか!!






俺はまだ、
貴方の中での役割を終えていない
ってことですもんね。




俺、貴方のことなら分かるんですよ!!





ならば、俺の利用価値が無くなるまで、
ずっとずっと…………








俺は貴方について行きます。






俺は膝を着いて、あなたさんを抱き上げ、
唇にそっとキスする。






三途春千夜
三途春千夜
あなたさん、ずっとずっと、愛してますよ♡
 











だから少しだけ、待っていて。



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