次の日。
いつでもおいでと言われたので、早速来た。
迷惑じゃないだろうか......。
念のためと思い、インターホンをならす。
ガチャ。
扉を開けてくれたのは。
マスクをつけたシルクだった。
シルクは扉を開け放って、リビングに向かって歩いていこうとした。
私がボッーと外に突っ立ったままでいると。
中に入って扉を閉めると、シルクがマスクをはずした。
シルクは頭をガリガリかきむしって、マスクをゴミ箱に捨てた。
そして、私に向き直っていった。
シルクはそう返すと、リビングを出ていこうとした。
少し苛立ったような表情をしつつ、彼は振り返った。
私が必死になって言っている間、シルクは黙っていた。
聞いてくれているのかと思ったが。
胸を押さえ、苦しそうにしていた。
目を思いきり見開き、涙を溜め。
過呼吸になっている。
過呼吸になりながらも、私をにらむその目が怖くて、一瞬私は立ち止まりかけた。
だが、シルクはそういった直後、足の力が抜け、地面に崩れ落ちた。
汗が頬を伝い、床に落ちた。
私は急いで駆け寄った。
私はシルクの背中を指で軽く叩いた。
一定のペースでゆっくりと...。
シルクは少しずつ落ち着いてきた。
シルクは私を軽く突き飛ばし、逃げていった。
私は悪いことをいってしまったんだろう...。
シルクを傷つけてしまった...。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。