第4話

一対一
1,007
2019/05/06 12:21
次の日。







いつでもおいでと言われたので、早速来た。





迷惑じゃないだろうか......。




念のためと思い、インターホンをならす。
ガチャ。








扉を開けてくれたのは。
シルク
母さんも兄貴も今、ちょうど留守だけど
あなた

シルクさん...

マスクをつけたシルクだった。
シルク
一応兄貴に連絡入れとく。
シルクは扉を開け放って、リビングに向かって歩いていこうとした。
私がボッーと外に突っ立ったままでいると。
シルク
......あなたさん、だったっけ?
入らねーの?
あなた

あ、いえ...!
失礼します!

中に入って扉を閉めると、シルクがマスクをはずした。
あなた

なんでマスクを?

シルク
...顔見られたくないから
シルクは頭をガリガリかきむしって、マスクをゴミ箱に捨てた。
そして、私に向き直っていった。
シルク
お前さ、兄貴から俺のこと聞いたっぽいけど...どこまで聞いたの
あなた

え、あ、事件の詳細についてはなにも...

シルク
ふぅん
シルクはそう返すと、リビングを出ていこうとした。
あなた

ま、待ってください!

少し苛立ったような表情をしつつ、彼は振り返った。
シルク
なに
あなた

あ、えっと...兄クロードさんも、シルクさんのお母さんも、みんなシルクさんにこと心配してます!

シルク
...
あなた

私だって、シルクさんのことが......きっとフィッシャーズのメンバーだって...

私が必死になって言っている間、シルクは黙っていた。
聞いてくれているのかと思ったが。














シルク
ハ、ハッ....ア、ッ...!
あなた

シルクさん...!?

胸を押さえ、苦しそうにしていた。
目を思いきり見開き、涙を溜め。



過呼吸になっている。
あなた

シルクさん、落ち着いてください...!

シルク
ハ、ァ......く、来るなッ...俺に近づくんじゃ、ねぇ...!!
あなた

そ、そんなこと......

過呼吸になりながらも、私をにらむその目が怖くて、一瞬私は立ち止まりかけた。
だが、シルクはそういった直後、足の力が抜け、地面に崩れ落ちた。





汗が頬を伝い、床に落ちた。
あなた

そんなこと、いってる場合じゃありません!!

私は急いで駆け寄った。
シルク
来るな...ハッ、ゥ...ッ......!! 
あなた

大丈夫ですよ...私は貴方になにもしませんから...

私はシルクの背中を指で軽く叩いた。



一定のペースでゆっくりと...。
シルク
触ん、な...!!
ハァ、ハッ......!
あなた

ゆっくり、私が叩いてるタイミングと同じように息を吸ってください......

シルク
ハァ、ハァ.........
あなた

大丈夫です、リラックスして...

シルクは少しずつ落ち着いてきた。
あなた

シルクさん...もう大丈夫ですか?

シルク
......っ
シルクは私を軽く突き飛ばし、逃げていった。
あなた

あ...

私は悪いことをいってしまったんだろう...。




シルクを傷つけてしまった...。
あなた

ごめん、なさい...

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