第9話

呼び捨て
968
2019/06/03 09:59
翌日はシルクのもとへいった。





スマブラをしながら、お互いに他愛もない会話をしていると、シルクは唐突に聞いてきた。
シルク
あなたさん、昨日は仕事だったの?
あなた

はい、まあ

シルク
へえ...そういえば、なんの仕事してるの?
あなた

あー...えーと、声優、です

シルク
声優?
すごい、なんのアニメ?
シルクは反応して、グイッと私に近づいてきた。




だが、すぐにはっとなって離れた。
あなた

いえまだ主役とかは全然...でも唯一重要キャラで出たのは、○○って言うアニメで...

シルク
○○?
俺、それ見てた。キャラは?
あなた

み、見てたんですか?
え、と...あの主人公の友人で...

シルク
あ、あの女の子!
俺、その子気に入ってたんだよね。あなたさんだったんだ
シルクは楽しそうにいった。表情にはでなかったが。
シルク
あのときから、この声好きだなって思ってた。
あなたさんの声、いいよね。優しくてさ。
あなた

あ、ありがとうございます...!

私は嬉しくなって、礼を言った。



そのとき、シルクは。
シルク
フフ...
小さく微笑んだ。




あなた

シルクさん...

シルク
なに?
当も本人は気づいていないようだが。
あなた

いえ、なんでもないです...。
あ、あ!落ちちゃった...

操作ミスで、自分のキャラが死んでしまった。
シルク
あなたさん、いつも自滅していってない?
あなた

ううう、すいません...

シルク
謝ることじゃないのに...
シルクは楽しそうに言う。
あなた

す、すいません...

シルク
また謝ってる
あなた

シルクはそう指摘して、なにかを思い付いたようにいった。
シルク
あなたさん、敬語やめない?
あなた

え、でも

シルク
俺、敬語じゃないし、敬語...使ってほしくないなぁ、あなたさんに
あなた

え、あ、じゃ、じゃあ、やめます

シルク
キョドりすぎだよ?
あ、でも俺も最初そうだったけ?
あなた

そ、そんなことないですよ?

シルク
敬語ダメだって
あなた

あ、やっぱり急には慣れないなぁ

私は恥ずかしくなって、うつむきぎみに笑った。
シルク
......!
ま、まあ、少しずつなれればいいよ。
あとおさ、名前もシルクって呼び捨てでいい
あなた

よ、呼び捨て!?
じゃあ、シルクさ......シルクも私のこと、呼び捨てで呼んで?

シルク
え、......あなた...?
お互いになんだか恥ずかしくなってきて、少しの間黙っていた。
シルク
す、スマブラ続きしよう、あなた?
あなた

そ、そうだねっ、シルク










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兄クロードside



部屋の扉の外から、俺は二人の会話を聞いていた。
兄クロード
ふーん、いい感じみたいだな




俺は小さく呟いて、扉から離れて、自分の部屋に戻っていった。





そろそろ俺もけじめつけなきゃいけないかな?

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