第2話

プロローグ②
51
2019/04/29 12:41
二神
二神
………。
二神
二神
…お前、今…なんて……。
声が震える。
何故…、今出てくるんだ。

…。

彼の名前を聞いた者は皆顔を歪ませる
どうして今になって…出るのだ…。
彼の名前が…。
シノ
シノ
だーから、ジシ君だって
見つけたんだってー
モブ
ありえない…ありえないぞ…。
二神
二神
ジシは消えた。
確かに消えただろ!
どういうことだ!
死神は一度消えたらもう復活はしない!
シノ
シノ
彼は死んでない。
二神の焦る声が響く中被さる
低く真剣な顔のシノの声が沈黙を要した。

皆、動揺を隠せずにいた


───『神殺し』のジシ
死神界では有名な裏切り者
その名の通り、神を殺した。
だが、彼は神を殺した日死んだ。
その目撃者が二神と…シノ。
姿、形もなく消滅したのだ。

したのだ、消滅…したのだ。
しかし、ジシが消えた後の記憶が一部
無い…。
シノは何か知っているのか…?
シノ
シノ
彼は生きてる。

姿や形、名前が変わっているが確かに
生きてるんだ。
シノ
シノ
まぁ、生前の記憶なんて忘れているだろうけど…ね。
二神
二神
(どうしてだ、シノ…。
彼の話を聞くのをお前が1番辛いはずなのに)
二神
二神
(自分から話すようなマネ…。
幼馴染の死んだ話なんて…。)
眉間にシワがよる。

ダメだ、まるで分からない
アイツが何考えてるか…
シノ
シノ
…?
なになに?皆そんな怖い顔しちゃって
モブ
見つけたじゃと?
ふざけるな、小僧
ヤツは死んだのじゃ
神を殺したことによる天罰でな!
モブ
今更そんな話しても無意味
酷く、汗をかいていた

視線は徐々に下へ。
ただ上司だけは焦らず目線をシノの方へ
ずっと向けている。

シノはとりあえず笑う
シノ
シノ
まぁ、皆〜とりあえず、モニター見て見て
そう言いながらリモコンを操作する。

さっきまで映ってた男性の写真が消え
1人の少年の写真が映し出された。
皆、モニターを見た
モブ
!?
………このガキが…、あの?
そう老人の死神が口にした。

けれど、皆同じようなことを思っていた。
何故なら、“彼”は死神の姿ではなく…
人間の姿だったからだ。

ごく、普通の高校生。
モブ
ふざけるのも大概にしろ!!!
小僧!!
怒りがこみ上がり老人の死神は怒鳴る。
シノ
シノ
落ち着きなよ…そう思うのは当たり前だケド。
ちゃんと最後まで話は聞くって習わなかったのかなぁ〜?
シノ
シノ
ちゃんと最後まで聞かなきゃ…ねぇ?
ニヤリと笑う。

ただ目は笑っていない。
シノ
シノ
別に僕はふざけてない。
まぁ、悪戯するのは好きなのは認めるけども…
たださぁー、僕だって最初驚いたんだぜ?
まっさか、ジシ君が人間の姿で転生してるとは…。
二神
二神
人間……に?転………生…?
呆然と二神が呟く。
呆気に取られる
まさか!いや、ありえないと
思考がグルグル回る


バンッ!!!



老人の死神はテーブルを叩き立ち上がる
モブ
ありえん…!
死神が人間に転生するなど…
モブ
やはり貴様!
たぶらかしておるな!
いくら五大幹部トップだからって調子に
乗りやがて、この糞ガキ…!!
老人の死神はシノ方へと近づく。
シノ
シノ
へぇー(笑)
殺す?殺しちゃうって?
ふふっ、死ぬ覚悟はあるんだねぇ〜。
シノは鼻で笑い、煽ってケラケラ嗤う。
モブ
ほう、口だけは達者か…。
モブ
ガンナー
老人の死神は右手を翳し低くその言葉を口にする。

すると右手から銃が出てきた。
二重拳銃ダブルガンナー

対するシノは何も武器は持たずただ佇み
口を動かす。
シノ
シノ
『空間』
しかし何も起きていない。

いや、よく見るとシノの周りの近い空間が
歪んでいるのだ
両者共に戦う気は満々。

老人の死神が銃の引き金を引いた────




はずだったが声に遮られた。

上司
上司
双方、武器及び能力発動をやめよ!
上司の声と共に
シノの空間の歪みや老人の死神の銃が
かき消された。
まるで、最初から何もなかったかのように
モブ
なっ!
シノ
シノ
……。
モブ
何するのですか!?王神様!
王神
双方、席に座り給え
まだ、話は途中だ。
会議も終わっていない。
上司、『王神』の圧力がかかる。
シノは少し不服そうだが従い座る

が、老人の死神は納得出来ないようで
まだ立っているままだった。
王神
どうした…?早く座り給え。
低い声と圧力…。
睨む目で老人の死神に王神は言う。
老人の死神はキッとし訴える。
モブ
何故なのです!
王神様、私じゃなく…!
こやつを選ぶのですかっ!!
王神
黙って、座れ。
モブ
王神様!!
王神
私の判断だ、シノ君は戦力になる
それだけの理由じゃ足らないのか?
王神
不服か?
モブ
不服ではありません…ですが…
王神
じゃあ、何故座らない?
モブ
ぇ…これは…違…
王神
黙れ。
王神は手を翳し一言で終わらす。
王神
消去きえろ
老人の死神の言葉が出る前に跡形もなく
完全に消えてしまった。
そこに最初から誰もいなかったように
老人の死神の席もいつの間にか消えていた。


ゴクッ

シノは唾を飲み込んだ。
シノ
シノ
(やべぇ…。マジでチートだろこれ…。
さすがに僕もこれどう対策とればいいか…)
シノ
シノ
(うん、無理☆)
シノは冷や汗をダラダラ出していた。
それで、死神が消えたのだが皆驚きも声もあげることなく…「?」のマークが頭の上に乗っていた。
二神
二神
…?どうか、しましたか…?
王神
いや、なんでもない。続けよう。
消えていた。

皆の中でさっきまでいた老人の死神は
消えたのだ。
存在そのものが
シノ
シノ
(あーぁ…ジジィ大人しくしとけば良かったのになぁ
今日王神様、機嫌悪いのにあんなに突っかかるから)
そして話は突如と戻るのだ。
王神
シノ、彼があのジシ君なのかい?
シノ
シノ
ふぇっ?
不意に言われたので間抜けな声が出てしまった。
シノ
シノ
あ、あー。
はいはい、はいそうです。
彼がジシ君です。
はい、間違いないでっす!
頭を掻きながら、生返事。

王神はそれを聞き流し
モニターをじっくり見て言う
王神
ダメだ、没。


クワッ

シノ
シノ
!?
え、なんで何で!?
ダメ?え?なんでですかぁ!!
物凄い形相でガタッとテーブルを揺らしながらシノはそういう

頬に汗が伝う。
その汗が落ちた瞬間、王神ははっきりと理由を述べる
王神
確実に彼なのか疑わしいし、何故狩るのだ?
さらに、付け加えると何故今更…そうか
なるほど…。
途中で何かに思い立った王神。

たが、何故今更と言われるとシノは反論出来なかった。
王神
まぁ、何より…。
君が単に会いたいだけだろうな。


ズバッ


シノ
シノ
(何故…、分かった…し…)
シノは、手をヒラヒラと振ってテーブルに突っ伏し苦笑し降参と言った。
シノ
シノ
王神様、痛いわー。マジで痛いっす
王神
そうか
シノ
シノ
え!冷たっ!
王神
とりあえず他に誰かいないか?
ほとんど茶番しか無かったんだが
シノ
シノ
え、無視っ!?
二神
二神
王神様、もう王神様がお決めになっては…。
王神
そうだね。二神君。
じゃあいつものところの書類を
二神
二神
はい!
二神は言われるまま書類を取りに行く
そしてテーブルの上、それぞれの担当の書類を渡していく。

もちろん拗ねて縮こまっているシノにも書類はまわった。

シノは驚き、汗をダラダラ流す
シノ
シノ
はっ?え、ちょっあの…
そんな愉快なものを見た二神はニタァといやらしい笑い方をしていた。

『お前に仕事が無いとでも思っていたのか?』と言う視線も送られる。
王神
えー。皆行き届いたかね
これは個人のノルマ。
魂を狩る人間の情報が載っているからね
無くさないように
と、ニッコリ王神は微笑む。
シノはただただ追いつけない状態だった。
シノ
シノ
マ・ジ・デ・ス・カ
二神
二神
マ・ジ・デ・ス
ゴゴゴゴゴゴォと二神のなんとも言えない
オーラが
『やれよ?サボるなよ?サボったら殺すぞ?』と言うような微笑んだ顔していた。

ヒェ…。

シノ
シノ
あー、なんかやりたく…なってきたかも…。
やるよ、仕事ちゃんと…何その目
シノ
シノ
信用ない目で見ないで下さい。
頬膨らませながら部屋を出る
二神
二神
いいんですか?王神様
王神
あぁ。
王神
これでいい





………。



シノ
シノ
いやー多い多いわー
シノ
シノ
なぁにこれぇ
シノ
シノ
ん?
ふと妙に色が違う書類の紙を見つけ
じっくり見る
『魂回収対象者︰大神宗時おおかみしゅうじ(16)
異常者
死の時まで嘘から解放してあげることが最優先事項

彼の願い──────…、叶えるべし』
全ての書類を見終わった。
そして、靴の音を鳴らし廊下歩く。
シノ
シノ
なぁ〜るほどねぇ…。
口元の角度を少し上げ感心する。

そして、いつの間にか手にしていたある写真を取り出し見つめる。
その写真に映っていたのはとある3人組。

シノの目線から見て右端に映っている者は無愛想に本を手に持ち左端の者は両手でピースを作りニカッと笑っている。
そして真ん中の者は穏やかに微笑んでいた。

シノの脳裏に過去の光景がフラッシュバックする。
楽しかったあの頃…。
けれどもどれやしない…。

写真を戻し空間を作り彼の元へ向かう
シノ
シノ
さて…、行きますか。
シノは会いに行った。

死神が

もうすぐ来るよ。









作者の声

はい…。
プロローグこれでやっと…ง'ω')ڡ≡) ゚∀゚)・∵. グハッ!!
次から1話っと…思うじゃないですか!
いや、実はまだちょっと1話にまだ入らないんですよね…。

1話を入れる前に重要な伏線みたいな
章を入れます。
この章、自分的には好きなんですよ
だから上手く書けるといいなぁと

では、また!


次回

道化ピエロの心情①』


(最終更新日︰((2019/04/29))

プリ小説オーディオドラマ