「はぁーー」
彼と別れてからため息ばっか。
今日もため息をつきながら、
朝を迎えて会社へと向かう支度をしている。
彼と結婚をするかも?なんて勝手に思って、
去年転職をした。
家庭に響かない17時定時であがれる事務職。
『今思えばそれも重かったのかもな。』
なんて後悔しても、もう彼は戻ってこない。
ふとプライベート用のカレンダーを確認してみる。
彼と付き合ってた期間は
友人と彼との予定の調和を取るためにも
必須アイテムだったけど...
別れてからは
もともと友人も少ないし、
数少ないその友人は最近結婚や出産をして
なかなかあえなくなってしまった。
おかげで...
カレンダーに頼らずとも簡単に予定を把握できる。
『やっば!今日の夜同窓会だったの、忘れてた...』
.....................
その夜
菊池風磨はわたしの幼なじみ。
世間的にはジャニーズのsexyzoneとして活躍してる
アイドルだ。
実家は近所だった。
親同士が特に仲が良くて、学生時代はよく一緒にいた。
唯一の男友達。
そう。私は童顔...
今年28歳でアラサーなのに
すっぴんだと中学生にだって間違えられるくらい。
可愛いもうれしいけど一度でもいいから
キレイって言われたい...
『結婚』という風磨が出したワードに
数日間塞き止めていた涙が溢れてくる。
そう、彼との結婚を夢見てたんだ。
仕事終わりの疲れたからだにお酒が入って
涙が止まらない.....
風磨に支えられながら、
同窓会の席をあとにした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!