第24話

No.24
2,084
2021/07/26 07:33
ある朝、私はいつも通り登校し、教室で暇を潰す___はずだった。




登校した時相澤先生に呼ばれ、何故か校長室の前にいます。




あなた「失礼しまーす……ん?」




校長室に入ると根津校長はおらず、いるのは傍らにある黄色い寝袋。




これって相澤先生だよね?寝てんの?へ、へぇ〜……。




芋虫のように床で寝ている相澤先生。それを転がしたい衝動に駆られる私。




床で寝てたら誰だって転がしたくなるだろ?ボタン押すなって言われてるのと同じ現象だよ。




あなた「……………失礼しま〜す……」




押して転がした。だいぶ強く。相澤先生の入った寝袋が棚にガンっと当たって、私は正気に戻る。




何やってんだ私!!!除籍だ、除籍される!!!!




寝袋からのそっと相澤先生が出てくる。




で、今は捕縛布でぐるぐる巻きにされてる。




相澤「人の睡眠邪魔するとはいい度胸だな……」




あなた「い、いや〜…カリギュラ効果ってヤツですよ、仕方ない…く、苦しいです先生!」




根津「朝から元気だね君達!」





根津校長が扉の前に立っていて、捕縛布が解ける。ふぅ……。





あなた「校長先生、用件は?」





根津「ちゃんとお話するから、とりあえず今は腰かけるのさ!」




ささ!と言われて私はとりあえずソファに座る。目が怖いです相澤先生…!




にしてもなんだ?裏社会で経営してるのがバレたのか…?




根津「さて、今回君を呼び出したのは言うまでもない……」




除籍宣告か?!




根津「ヒーロー科へ編入して欲しいからさ!」




…………は?




あなた「…………それで?」




根津「ヒーロー科入試、体育祭を見て思ったが、普通科には勿体ない素晴らしい個性なのさ!
しかも、ヒーロー科は入試1位だった。何故蹴ったんだい?」




あなた「家庭の事情です、ヒーロー目指しても意味がなかったので。」




根津「ふむ、ヒーローになる気はないのにヒーロー科は受けたんだね?」




あなた「はい、私は幼少の頃から訓練を受けていたので、実力試しの場として利用させて頂きました。」




根津「成程、そういう事だったのか。」




あなた「ヒーロー科編入について考え直していただけましたか?」




根津「相澤くん、彼女がヒーロー科に馴染めるよう、よろしく頼むよ」




私の言葉を無視するように、相澤先生へそう言った。




相澤「分かりました、篠陰、行くぞ」




あなた「えっちょっ」




捕縛布で拘束され、私はA組に連れていかれる。




今は…職場体験終わったぐらいかな?




バリアフリーdoorを開け、私は拘束が解かれる。




麗日「あれっ、あなたちゃんや!」

瀬呂「篠陰じゃん!体育祭ぶり!」




相澤「今日からヒーロー科編入になった篠陰あなただ。唐突で悪いが、仲良くしてやれ」




相澤先生?????????




私承諾してませんが?強制?は????




クエスチョンマークが脳内を駆け巡っている間にホームルームは終了し、私は1番後ろの空いてる席に座らされた。



八百万「ヒーロー科編入おめでとうございます、これからよろしくお願いいたしますわ」

芦戸「編入おめでとーっ!改めてよろしくね〜!」




そう言って体育祭で知り合った人達が挨拶してくる。




あなた「あ、うん…よろしく……?」




放課後ちゃんと物申そう。うん。強制とかふざけるなよ雄英……!








4限目の鐘が鳴り、昼休みになった時だった。




A組の教室の前に小さな人だかりができる。




トガ「あなたちゃん!なんでヒーロー科なんかに入っちゃったんですか?!」

荼毘「オイオイこんなところになんで編入したんだよォ?」

死柄木「お前結局はヒーロー志望だったのか?笑えるなぁ……」

トゥワイス「ヒーロー科行ったのかよ?!馬鹿か!素晴らしい判断だ!!」

マグネ「普通科に戻ってきなさいよあなたちゃん!」




敵連合が押し寄せた。死穢八斎會は敵連合の後ろで私の事めっちゃ睨んでる。




あなた「私だって急に連れてこられて何が何だか分かりませんよ……」





簡単に事情を話すと、次は死穢八斎會が校長にカチコミしに行こうとする。




あなた「治崎くんまってまってまって」




治崎「一度分解しなければ気が収まらん」




あなた「ちゃんと自分で解決しますから!」





上鳴「何〜?篠陰、普通科の友達?」

飯田「友人とふれあうのもいいが、そこは皆の邪魔になる!即刻場所を移すべきだ!」




お前ら来るな、粉々にされるぞ!!!




死柄木「は?ヒーロー科は黙ってろよ」

治崎「病気だらけだ…篠陰、普通科に戻れ」

荼毘「ヒーロー科なんざいる必要ねェよ、なァ?」




爆豪「ヒーロー科なんざだァ……?てめぇらみたいなクソモブが、何様だよアァん?!
つーかてめぇらは普通科女のなんなんだよ!」




普通科女って私???




トガ「あなたちゃんとは友達です!」

荼毘「友達だな」

死柄木「友達」

治崎「婚約者だ」



「「は?????」」




治崎の発言に、敵連合が注目する。


荼毘「おいどういうことだ」




治崎「どうも何もそのままだ、俺は篠陰と婚約した」




因みに私は治崎の唐突な暴露に恥ずか死にかけてる。言うなよバカ。




しかし実際の事情をこの場で話す訳にはいかない。




あなた「とりあえずお昼にしましょう、ね!」




私は睨み合ってる2人を引き離し、食堂に皆を引っ張る。




食堂で空いてる席に座らせると、尋問が始まった。




死柄木「婚約者っていうのはどういうことだ?」



トガ「どういうことですかあなたちゃん!治崎くんなんかと婚約なんて!」




治崎は不機嫌そうにフンと鼻を鳴らすと、お前が言えという視線を送ってくる。




あなた「…はぁ、組の復興のために私と婚約したんですよ。うちの会社をバックにつけるために。」




コイツらは私がスカトだと知っている。




荼毘「そういう事かよ…」




ケッと荼毘は姿勢を崩す。




あなた「ていうか私が誰と婚約しようと関係無くないですか?」




そう言うと皆の顔が固まる。何?爆弾発言した???




トガ「関係無くないです、あなたちゃんが人のものになるなんて嫌です」




トガはジトッと鋭い目で私を見る。




なんか予想外の反応〜!!!え、私が誰かの許嫁になっちゃうのそんなに嫌なのトガちゃん!可愛いね!




その後治崎はいつの間にか撤退。4人でご飯食べて午後の授業に入った。




放課後、編入について抗議したものの門前払い。




ヒーロー科……嫌だな……。

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