第27話

No.27
1,584
2021/08/03 09:34
私は予め設置しておいたカメラで、オールマイトとオールフォーワンの戦いを見る。





AFO「__…渾身。それが最後の一振だね、オールマイト

手負いのヒーローが最も恐ろしい。

腸を撒き散らし、迫ってくる君の顔。今でもたまに夢に見る。

2、3振りは見といた方がいいな」






……一応計画の説明をしておこう。といっても至極単純だ。






原作通りオールマイトがオールフォーワンを倒す。






オールフォーワンが力尽きて倒れた時、私は彼を攫う。






「次の悪の根源は自分だ」と言って。






その後は予め用意しておいた教会の部屋で拷問。…死柄木には悪いが。






拷問の際には絲賀見商社自家製の、死穢八斎會とは違う個性を消滅させる薬を投与する。





え?ちゃんと効くのかって?……さあ、まだ試した事は無い。






オールマイト「United Statesof SMASH!!!!!!」






_…オールマイトがオールフォーワンの上で、スタンディングをする。







あなた「……さあ、計画実行だ。」







私は影に身を投じた。














メディア『敵は__…動かず!勝利!オールマイト!!!

勝利の!スタンディングです!!!

______…あれ、何処からか少女が出て来ました…体育祭優勝者の子です!』





オールマイトが敵から離れた時、少女は現れた。





あなた「諸悪の根源もこれで終いか!オールフォーワン!!」





ヒーロー「…?!一体何処から!!」






あなた「お疲れ様平和の象徴!最後の戦いはどうだった?民の為に体を張れてよかったか?!」






少女は不敵に笑ってオールマイトを見る。






オールマイト「__…君は…篠陰少女!!!」






あなた「嗚呼、オールマイト。アンタは凄い、私も感動して鳥肌が立っちまったよ!!」






でも、と少女は声をあげる。





あなた「コイツは私が攫っちゃうね」






ニヤリと笑って、少女はオールフォーワンの襟を掴んで持ち上げる。






あなた「いいか、聞け。次の悪の頂点は、この私。スカトだ!!!!!!」






ヒーロー達が飛び出し、捕らえようとする。





が、少女はオールフォーワンを連れて、影の中へ沈んで行った。






ヒーロー達は絶叫する。オールマイトも絶望した顔をして、少女のいた方向を見る。







そこには"元"諸悪の根源、オールフォーワンの血痕しか残ってはいなかった。







_____その日、次なる悪が面を上げた__……。











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あなた「目が覚めたか、オールフォーワン」







金属製の椅子に拘束された男が、ピクリと動く。






先日の計画は成功。教会の地下室に上手く閉じ込め、薬で個性を消した。






AFO「…此処は何処だい?君は声を聞くに…体育祭で優勝した篠陰あなたさんかな?」






あなた「ま、知ってるか…。優勝も予定のうちだったが。」






AFO「それより君が僕を助けてくれたのか?嬉しいな_…」






私はオールフォーワンの口に刃を入れる。






あなた「助けた?夢から覚めろ、んな訳無いだろ。」






AFO「…酷いな、私と君が手を組めば、ヒーローなんて簡単に潰せるのに」





あなた「残念ながら、お前はもう無個性だ。」






AFO「__…なんだって?」






あなた「うちの会社で作り上げた、個性を消滅させる薬。それをお前に投与した。」






AFO「そんなまさか_…!」






あなた「へぇ、アンタの焦る姿なんて初めて見たよ。」






AFO「…何が狙いなんだい?君の今の心拍数はとても穏やかだ。」






あなた「私のお前に対する目的はただ1つ。篠陰天滋の死の真相を話せ。」






そう聞くと、オールフォーワンはああ、と懐かしそうな声を出す。






AFO「篠陰天滋!懐かしいな、彼には悪い事をした…。」






私は椅子の肘掛に置いてあるオールフォーワンの手の甲にグサッとナイフを突き刺す。






少し我慢するように、オールフォーワンは痛々しげな声を出した。






あなた「全て話せ。さもなくば敵連合もドクターとやらも全員殺す。」






AFO「へぇ……弔と君は仲が良かったはずだが__…グッ…」





爪をゆっくりと剥がす。






あなた「死柄木弔…彼はいい人だ。噂で聞いたが、私を連れ戻す為に戦力を拡大してるとかなんとか……。」





AFO「素晴らしい友情、だ……グァッ…彼らの思、いに答えてはやらんのか?」






そう言ってオールフォーワンはニタリと笑う。





あなた「お前の笑みはつくづく私の神経を逆撫でさせるな」






また爪を1枚剥がす。痛々しい声が地下室にこだました。






あなた「さっさと話せ、嫌がらせか?」






AFO「求められている情報程話したく無くなるよ、篠陰あなた。」





あなた「…そうか、ならもう少しクスリを入れようか。」






私は個性でドクターの所にワープする。






ドクター「_?!な、なんだきき貴様!!!何処からっ__…」





あなた「悪いな、アンタが必要なんだ」





一瞬で首を切り、その頭を掴む。






AFO「おや、帰ってくるのが早かったね____…っ!ドクター!!」






ドクターの首を見て、オールフォーワンの顔から笑みが消える。






あなた「_嗚呼…彼に罪は無かったというのに……」






血がぼたぼたと垂れるドクターの頭をオールフォーワンに突きつけた。






AFO「_…っ分かった、彼の死について話そう。」






あなた「物分りが良くて助かるよ。」






手にしていた頭を部屋の角にポイッと捨てる。










AFO「…篠陰天滋、彼は無個性の天才格闘家と呼ばれているね。でも彼は元々有個性だった。

彼が無個性だと言われるようになったのは、僕が彼の個性を貰った…いや、奪ったと言った方が正しい。

彼の個性は「超回復」。当時のオールマイトとその師と戦って瀕死だった僕は、彼の個性を欲した。

そこで僕は彼を嵌め、彼の個性を奪い、捨てた。」









AFO「篠陰天滋、彼は私への復讐を心に決めた。…が、無個性で特技が体術でしかない彼は、私には勝てないと判断したらしい。そこで……




君を引き取った。己の最強の駒にするために、ね。


だが彼も育てて行くうちに情が湧いてしまった様だ。」






そう言ってクククと笑う。







AFO「…君は強くなりすぎた。スカトの名を聞いて篠陰天滋の息子だと直感的に分かったよ。


僕はどうにか手を回して君を消そうとした…が、篠陰天滋はそれに気付いたようでね。


君に仲間を増やさせたのも、1つの企業を後ろ盾に出来るようにしたのも、篠陰天滋の計画だ。」







AFO「君は味方を多くつけ、強い力で統制した。強い人とは味方の多い人だ。


そんな君に唯一弱点があるとしたら__」





あなた「_肉親って訳か…」






AFO「その通り。彼は君を守る為に、唯一の弱点である己を殺した。


本当に優しいな、あの男は!どうだい、自分の為に死んだ事に後悔を__」







あなた「…ははっ…あははははは!」







私が絶望する様を見たかったからなのか、笑う私を見てオールフォーワンは驚いたように言葉を止める。







あなた「後悔?笑えるね、そんな訳ないだろ!本当にいい叔父を持った。


私の為に死ぬなんて、馬鹿じゃないか?阿呆で間抜けないい男だったな、本当に!」







__本当に、馬鹿で阿呆で間抜けなクソ野郎。







あなた「ありがとうオールフォーワン…君が教えてくれたお陰でとてもいい気分だ。


お礼として……」







私は影で作った刃をオールフォーワンの首元に当てる。







あなた「苦しまずに逝かせてやる」






AFO「待っ____」














薄暗い部屋に、何かが落ちた音と血飛沫が飛び散った。

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