こんにちは!傷心中の篠陰です!
今日は週末!
私は今、敵連合の何人かと映画見に来ています!
『ドチャッ』
『やめて!来ないでごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!』
『キャアアアアアアアアアア!!!』
スプラッター映画。
隣で同じポップコーンを食べているトガちゃんは目をキラキラさせながら見ています。
私はガクブルですクソ怖いです。
多分この間学校で泣いちゃったから気遣ってくれてるんだろうな…。
でも怖い!音が…脳が危険信号出してるう…………
これ見るくらいなら壊理ちゃんと幼女向け番組見る方が良かった…。
映画が終わると、トガが飛びついてきた。後ろから機嫌の悪そうな死柄木と退屈そうな荼毘がついてくる。
トガ「面白かったです!あなたちゃんはどこのシーンが好きでしたか?私はお風呂場で切り刻まれちゃうシーンが好きです!血キレイだった!」
あなた「…次映画見に行く時は他の映画見ましょう」
死柄木「ああ…まったくだ……」
私が死柄木に耳打ちする。
荼毘「あんなのが怖かったのかよ」
トガ「え、あなたちゃん嫌でしたか?!あ!あのホラー映画面白そうです!!」
あなた「これ以上は胃が痛くなりそうなのでいいです……」
喪中に何見せようとしてんだ。
にしてもトガちゃん私服かわい〜。見ろよ後ろのヤツら、真っ黒だぜ。
荼毘「今失礼なこと考えたろ」
あなた「いえ何も!」
私はその辺に置いてあった映画のパンフレットを手に取る。
あなた「あ、トガちゃんこんなのどうですか?」
シリアス学園モノ。悪くないチョイスでは?
トガ「主人公がカッコよくないので嫌です」
あ!嫌でしたか!
トガ「あ!お洋服選びに行きませんか!」
あなた「服?」
トガ「はい!あなたちゃんをとっても可愛くしたいです!」
あなた「服が必要なのは後ろの2人じゃないですか?」
トガ「弔くんと荼毘くんはつまらないのでいいです」
つまらないってさ、ドンマイ。
あなた「ん〜…じゃあ見るだけ見に行きましょうか」
そう言うとパアッと顔をほころばせて私の手を握って引っ張って行った。
トガちゃんは壊理ちゃん的立ち位置なんだよな、私的に…。
服屋に着くや否や、色んな服を取っかえ引っ変えに着せられた。
トガちゃんって案外女の子だなぁ。
因みに死柄木と荼毘の反応はほぼ一緒。
「まあいいんじゃねえの」「アリかナシかで言われたらアリ」「馬子にも衣装だな」
ストレートに褒めてくれよ私前世より大分いいぞ今世のルックス!!
トガちゃんはベタ褒めしてくる。
トガ「その服もいいですね!可愛いです!」
トガ「あなたちゃんって肌白いんですね!綺麗!!!」
…褒められたら褒められたで何か恥ずい……。
あなた「…どうですか?」
私はまた1着ワンピースを試着させられる。
トガ「似合ってますあなたちゃん!やっぱり白が似合いますねぇ!」
死柄木「スカートって鬱陶しそうだよな」
荼毘「まあいいんじゃねえの」
死柄木「は?あんな寒そうな服どこがいいんだよこっちが寒くなるわ」
荼毘「もしかして女の足に照れてんのか?思春期のガキかよ気色悪ぃ」
死柄木「あ?お前言っていいことと悪いことっていうのがあるだろ」
仲間内で喧嘩すんなよ黒服2匹……。しかも原因がスカートの機能性て……。
しょうもない内容で喧嘩している友人2人に苦笑する。
・
・
・
夕方まで遊び通し、解散。
死柄木と荼毘が遊びに付き合うとは思わなかった。
薄暗い路地裏を歩きながら、2人の少しダルそうな顔を思い出す。
敵連合の人達と一緒に遊びに行くなんて…初めは思ってもみなかったな……。
叔父の死によるダメージが、薄れた気がした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!