第36話
#36
【好きだよ】side壱馬
『___あなた、好きだよ』
真っ直ぐ、あなただけを見て言う。
理解が出来ていないのか、
マイクを落としたまま俺を見つめるあなた。
『マイク落としたよ』
あなた「へっ、あ…ごめん」
『理解できてる?』
あなた「いや、ちょっと…あの、なに?」
マイクを通してのやりとりに大爆笑の会場。
あなたに近づいて俺の方を向かせる。
『どうしようもないくらいにあなたが好きだよ。
幼馴染…は、もう卒業、バイバイ。
これからは俺の彼女として隣にいてくれる?』
顔を真っ赤にさせながら涙をためるあなた。
ちょっと意地悪したくなる。
『真っ赤だよ。返事は?』
あなた「うん」
うん、って…笑
あなた「…口悪いし、冷たいし」
おい。悪口じゃん
あなた「だけど、ほんとは優しくて、
“馬鹿だな”って言いながらもいっつも助けてくれる、
壱馬が、大好きです」
ふにゃっと笑ったあなたを抱きしめてキスをした。
あーぁ、返事なんか聞くんじゃなかった。
すっげー照れるわ、これ。