第32話
#32
【お化け屋敷】side壱馬
お化け屋敷に入って早々に、ぐいっと袖を引っ張られる。
袖から視線をあげるとあなたが掴んでいて、耳打ちをしてきた。
あなた「あのさ、手つないでてもいい?」
やっぱり怖いのか、そう聞いてくるあなた。
やっば、なんかすげー…守りたくなるなこいつ。
『おう』
手を繋いでぎゅっと体を寄せてくる。
ふに、と柔らかいものが当たってる気がするけど…
あなたは真剣にびびってる(?)し
フザケたこと言えねーよな…。
高校生が作ったとは思えないほどのクオリティで
意外と怖い。
あなた「む、無理ぃいっ!」
『わ、お前っ走んなよ』
突然ぺたんと座り込んだあなた。
え、腰抜けたの?まじか。
後ろから北人と翔吾もくるし、ずっと座ってるわけにはいかないので背を向けてしゃがむ。
『乗って、おぶってく』
あなた「でも…」
『じゃあお姫様抱っこにする?』
あなた「それは嫌だ」
はいはい、と泣きそうになってるあなたをおぶってゴールした。
北人「らぶらぶだねぇ」
翔吾「おばけ役も驚きじゃない?壱馬の彼氏感に」
『うっせ笑』