第44話
#44
【それぞれの道】sideあなた
クリスマスパーティー(at壱馬の家)で壱馬の部屋に入った時、机の上にあった資料が見えてしまった。
あの時は、ああ離れちゃうんだ、って思ったけど、
壱馬の夢を叶えてほしい。
北ちゃんも翔吾も、みんなそれぞれ。
そう伝えると壱馬は驚いた顔をした。
壱馬「遠距離だよ?」
『でも、お別れじゃないでしょ』
壱馬「…だな」
『安心した?』
壱馬「うん、色んなこと考えた…離れるの、辛いし」
珍しく壱馬が素直になってる。
なんか可愛いなぁ、しゅんってしてる。
東京かぁ…うんうん、大都会だよ。
人混み嫌いな壱馬は大変だ。
『人混みに負けないでね』
壱馬「…はあ?何の心配してんの?」
『壱馬だよ、もちろん』
そうは見えねーけど…とじろじろ見られて、
逃げの体制に入る。
壱馬「逃すか、ばーか」
後ろから抱きしめられる状態でつかまった私は抵抗。
まあ、無意味でしたけど。
壱馬「ずっと好きだよ」
不意に耳元で言われ、心臓が飛び出そう。
『わ、私も好きだよ//』
壱馬「ふはっ、噛んでるし」
向き直り、チュ、とおでこにキスを落とした。