これは、東京のある町のお話。
私たちは、「何か」におわれていた。
私達がなぜ「何か」におわれているのか、
それは、さかのぼること365日前
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7月8日
私はあなた。
家族はお母さんとお父さん。
お父さんとお母さんはすごく優しい
お母さんは少しおっちょこちょい。
お父さんはそんなお母さんが好きになったと言った。
優しいお母さんとお父さんに育てられて本当に感謝している。
だから私は将来、皆をよろこばす職業につきたい。
自分でいうのもあれだが私は、何の悪意もないいい子に育ったと思う。
いつもの朝。
ただ、今日はなんだかおかしい気がする。
いつもより明るい?
世界が怖く感じた。
なんだか、今日だけは外に出てはいけないと
太陽が教えているようだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。