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第8話

7話
133
2020/04/19 11:15

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俺は昔から口下手だった。
生徒
おはよう!
重岡大毅
…ぁ、お、おはよ…


そんな俺を見て人々は口々に





“挨拶もできないんだね”




“かわいそう”





その言葉がどれだけ心を傷つけ抉るのか、考えもしない人たちによって無責任に俺へとぶつけられた。
















毎朝起きて鏡にうつる自分が嫌いだった。無理矢理作った笑顔なんて。それでも俺は笑うことしかできないんだ。



ふと見えた庭の花に目が留まる。凛々しく、強く咲く花たちに少し羨ましいと思った。それに引き換え俺は本当にだめな子だ。きっと親にだって期待されていないんだろう。




俺がこんなだからいじめだって当然ある。どれもこれも陰湿で証拠にもならなくて、先生に言えない。友達もいない。











俺は耐えきれなくて学校、家、すべてから逃げた。
走って走って、このまま消えてしまえたなら、なんて思った。










これが俺が能力を持ち始めた話。






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