第2話

第2話
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2021/04/05 11:28
同じ孤児院の女の子
あんたさぁ、調子乗ってんの?
雨宮 七瀬
そんなわけ……
雨宮 七瀬
いっ…………!!
私が口を開こうとすると女の子は私の頬を殴った。
同じ孤児院の女の子
黙れ……っ!!!
同じ孤児院の女の子
あんたが……あんたが強いせいで私は……っ!!
雨宮 七瀬
……!
その日初めて私が嫌われている理由がわかった。

「強いから」だ。

私が強いせいでみんなが弱く見える。

シスターからすると私が普通、他のみんなは普通なはずなのに弱いと思われてしまっていたのだ。

「七瀬みたいに強くなりなさい」

「どうして七瀬は出来るのにあなたはできないの?」

「普通のことも出来ないなんて……情けない」

私の見えないところでみんなは貶されて生きてきたらしい。

そうだ……私のせいじゃん。

私が弱くなれば……っ!

弱くなればみんなを楽にさせてあげられる。

ごめんねみんな。

私が、

私が今までみんなを苦しめきたこと、

今ここで償うから。
シスター
七瀬!!真剣にやりなさい!
シスター
あなたこんなものも出来ないの!?
私は時が経つことを利用して少しずつ力を弱めていった。

もちろんシスターはそれを信じ込んだよ。

だからみんなは楽しく生活できている。

私以外は、ね。

弱くなるにつれてシスターたちは私を奴隷のように扱うようになった。

昔だったらみんなでご飯を作ったりお皿を準備したりしていたはずなのにそれは全て私の役目。

小さい子の子守りも、洗濯物を干すことも、部屋の片付けも全て私。

数人だったらまだこなせるよ。

でもそれが何百人もの子供の分だったら?

それを全て私がやっている。

疲れるけど、

嫌だけど、

我慢するしかないんだ。
シスター
今日は新しいお友達が入りました
シスター
入ってきなさい
ななもり。
初めまして、ななもりです。
年齢は16歳。よろしくお願いします
さとみ
さとみです!年齢は15歳、よろしく!
ジェル
ジェルでーす!!年齢は14歳、よろしくなぁ
ころん
ころんです!年齢は13歳、よろしく!!
るぅと
初めまして、るぅとといいます。
年齢は12歳、よろしくお願いします
莉犬
莉犬です!年齢はるぅとくんと同じ12歳!よろしくね!
シスター
この6人はみんな血の繋がった兄弟です
シスター
これからたくさん仲良くしてあげてくださいね
雨宮 七瀬
(本当の兄弟……珍しいな……)
シスター
七瀬!!こっち手伝いなさい!!
雨宮 七瀬
あ、はい……っ!
ころん
……

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