第2話

部長
167
2018/12/14 10:55
失礼します
そうして俺は南校舎の第二美術室にやってきた。
シ────ン
誰も、いない?
美術室は薄暗く、ただ1つ明かりが着いている一角には、真っ赤な彼岸花の絵が描かれていた。
俺はこの絵に目を奪われた。
真っ赤な色で塗られた彼岸花。
俺が描いた絵とは比べ物にならないほど、
一筆一筆に魂を感じた。
この異臭はきっと、この部屋の独特な匂いだろう。
あの
!?!?!?
誰かいたのか?
この絵に見とれて気づかなかった。
この人が、部長さんだろうか。
どうにもこの人が年上には思えない。
背は俺よりも小さい。
色白で黒髪。顔は童顔で人形のような顔をしている
あの、どちら様で?
あ、僕は、新入部員のものです。
失礼ですが、部長さんですか?
部長
はい。
あの、担任の先生に、
ここに来るように言われて。
部長
あぁ、そうですか。
部長
今日はお帰りください。ニコリ
え。あ。はい。
何か不都合でもあるのだろうか。
あの絵を完成させるための時間だろうか。
あ。あの!
部長
はい?
あの絵は。
いつ、完成するものなんですか?
部長
あぁ、あの絵のことですか?
彼岸花の絵を指さしながら言った。
部長
あれが、完成するのは、そうですね
部長
これからによりますね。
そう、ですか。
部長
あの絵を、気に入りましたか?
は、はい
部長
また今度、手伝っていただけると幸いです
部長
それでは、また
部長
次はまた来週に来てくだされば。
はい。ありがとうございました。
ガラガラガラガラガラガラ
なんだか、不思議な人だったな。
部活がスパルタなわけでも無さそうだし。
もう。帰るか。
                      
部活がないなら
もうこれ以上学校に残っている必要は無い
何故、あの部活に人が集まらないのだろうか
そんなことを考えながら家に帰って行った。

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