第3話

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2018/12/15 04:16
ただいま
誰もいない家に俺はそう言って挨拶をした。


母と父は離婚して母が俺を引き取った。
父は昔から酒が好きで、
普段こそは優しい父だったが、
酒を飲むと人が変わったように
気に入らないことがあれば暴力をふるい、
母はそれに疲れて過労になった。
離婚するという話を聞いて俺は内心ほっとした。
これで母に引き取ってもらえば、
父の暴力を受けることももうなくなるのだ。
そう思うと、離婚するのが待ち遠しくもあった。
母は穏やかな性格で、
いつも俺の事を可愛がってくれた。
やっとの事で離婚をして、
母に引き取ってもらったはいいものの、
母はそれから働き漬けの日々。


平日は帰ってこない。
休日も帰ってくるか
わからないような感じであった。
休日に俺が出かけていれば、母と会うことは無いし
俺がこの家からいなくなっても、
母は気づかないだろう。
こんなブルーな事を考えていても仕方が無い。
そう思い俺は今日の朝作っていった、
カレーライスを暖めて食べた。
食べ終わった俺は、
自分の部屋のパソコンを起動した
俺はあの美術室の絵が忘れられなかった。
あの部長の名前もわからないし、
高校名で調べて見るか。
『朱雀高校 美術部』
そう検索すると、ヒットはなかった。
『もしかして? 「朱雀中学校 美術部」』
そんな検索に興味はなかった。
今度あったら名前を聞いてみよう。
そう思いながら、俺はパソコンを閉じ
課題の作文を完成させた。

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