それからの毎日、学校に通ったり、カラオケに行ったり、ジミナがしたいことは全部した。
『あなたと星が見たい。2人でブランケット被って、星見ながらゆっくりしたい。』
そんなロマンチックな願いを満喫していて、ふと気になった。
もっとこう、外国に行きたいとか、お金欲しいとか。ないのかな。
何がしたいか。
ジミナと何が出来る?
私は……私は、やっぱり、
ジミナは私の手を握り、頭を肩に乗っけてきた。
しばらく2人で星を見ていた。
何時間かジミナが喋らなかったから、もう寝たのかと思うと、
ジミナが口を開いた。
ジミナが言った言葉。
詩のようで、綺麗な言葉だった。
欠けても、また満ちる。
満ちたときは、誰よりも輝いて。
対岸にいても、お互いを見てる。
宝物のように、私の中で輝いていた。
その日、ジミナは救急車に乗った。
夢で、ジミナは泣いていた。苦しそうに、辛そうに。
ジミナは今欠けているのだと思った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!