今日もまた聞こえる
右、左、前、後
全方向から声が聞こえる
(○○ってほんとにイキってるよな)
(△△ほんとに嫌い)
(上司がウザイ)
(死んじゃえばいいのに)
その言葉が聞こえた瞬間目をつむった
やめて…うるさいよ…もうやめて
私は瀬戸六花
みんなからはりっちゃんと呼ばれている
現在高校1年生
私は人の心が読める
生まれつきなんかじゃない
遡ること3年前
私が中学1年生の時だっただろうか
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(あの子あんな陰キャと歩いてるよ可哀想)
振り返ると女子が2人たっていた
今の言葉は私に向けられたもの?
(こいつまじなんなの)
(いきなり話しかけてきたちょー怖いw)
2人組は教室に戻って行った
もしかして…さっき私が見えたのは…
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あの日以来私は人の心が読めるようになったと思う
親にも友達にも言っていない
今もまた
(この子急に止まってどうしたのかな?)
(こんな所で止まるなよクソガキが)
(邪魔どけよ)
こりゃ…しんどいって言葉じゃ足りないな…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。