面接当日。
男の優しそうな人が出てきてくれた。
居酒屋特有の匂いというか、凄い。
なんか、ワクワクしてきた。
近くにあった鏡を借りて髪のチェックしてたら
?「 なに、新しい子なんすか? 」
「 そうだよ 」
関西弁…?
え、ここ、東京だよね?笑
?「 へぇ。」
興味無さすぎだろっ!
って、何も私は言えないのに。
店長さんと思われる人。
名札には たっくん と書いてある。
なんだろ、ニックネームなのかな。
途中、パッと赤髪の人が目に入ってきたけど
よく顔は見えなかった。
そんな人もいるんだなぁって。
良かった、やっと入れた。
部屋から出て、店内に行くとまだ開店してない。
後ろ姿の赤髪の人。
ちょっと怖いなぁ…
からまれたらどうしよっ…
赤髪の人。
裕太っていうのかな。
ゴクリと喉を鳴らして待つ。
そして、こちらを見た瞬間。
めちゃくちゃカッコイイじゃないですかぁぁぁ!!
じっと見られてなかなか逸らしてくれない。
私、見られるの慣れてない…
私の話が済んだらテーブル拭いたりと
凄い熱心に働き始めた。
先輩なんだ。
礼儀!礼儀!
今日の所は帰っていいらしく、最後に裕太さんに挨拶して帰ろう。
テーブルを拭いている裕太さんに
すると、私をじっと見て無口なまま。
言ったらまた拭きだした。
不思議な人。
え、それだけ?
プツンプツンと単語喋りだ。
もっと会話続かないかな。
人見知りってこういうことか!
そう言うとコクリと頷くだけ。
会話しなよぉぉ!!!
ムズムズする、
はっきり言ってあげたいのにダメダメ。
また、莉子に怒られちゃう。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。