どうしてっ…
意味がわかんない…
亜嵐とは絶対そういうの無いと思ってたのにっ…
…信じられない。
1週間の締めくくりの日の夜。
それはいつも通り寒くて風の冷たい日。
亜嵐に好きだと言われた。
そういうの経験浅くて慣れないからさ
逃げてきちゃった…
やばいよね、最低だよ。
駅のベンチに腰掛ける。
さっきの会話達がフラッシュバックされて顔が火照る。
亜嵐にはドキッともしたし
いい人だと再確認した。
けど、私は亜嵐が好きだと聞かれたら
頷くことは出来ない。
仲のいい、本当に仲のいい友達だとしか思っていなかった。
自分だけだった。
そう考えたら涙が溢れて止まらない。
これから話せなくなるの嫌だよ。
こんな感じで私達の関係が崩れちゃったら嫌。
でも、亜嵐、、酔ってた。
あの気持ちは本当じゃないかもしれない。
ただ、そのノリで。
けど、前に語っていた亜嵐の好きな人の様子から
ときどき、私に当てはまることがあった。
だから、嘘じゃないのかなって思う。
はぁ、と大きくため息をつくと
それと同時に入ってきた冷たい風。
私の心もいまこうしてこの風に乗って
どこか行ってしまえばいいのに。
新しい心で居たい。
裕太さんっ…
亜嵐で悩んでいるのに無性に頭に浮かぶのは裕太さん。
裕太さんならどうしてくれるのだろうか。
裕太さんならっ、て比べてしまう。
助けてよ…裕太さん。
本に書いてあったよ。
赤髪の理由は
" スーパーヒーローになる為 "
だって。
例え、あの話が裕太さんじゃなくても
赤髪はスーパーヒーローのメインカラー。
私は裕太さんのことスーパーヒーローだと思ってるから。
明日学校なのにな…
まずい…
亜嵐に謝らなきゃ…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。