第9話

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2019/08/08 00:47
あなた

裕太さん…

中務裕太
何、どうしたん。
あなた

えっ、

私の目の前にいる人。


それは、間違いなく、赤髪の裕太さん
どこで見てもかっこいい…
中務裕太
彼氏さん、相当潰れてんなぁ。
あなた

いやっ…

中務裕太
お ~ い。
否定しようとしたら話が進んじゃって…


裕太さんが亜嵐に話しかけてもなかなか起きない。


ほんと最後の最後まで困ったやつ。
あなた

起きなくて…笑

中務裕太
よし、運ぶで。
あなた

え?

中務裕太
この人の家どこなん?
あなた

えっと…ここです。

位置情報を見せる。


それは当然距離は近い。


ふわっと裕太さんの香り。


その瞬間、ドキッとした。
中務裕太
ん ~ 、わからんわ。案内してや。
あなた

え?

中務裕太
地図読めへんで。よろしく。
…赤色の髪から見える目と私の目が合う。


ヤバっ


私の心臓やばい、もたない。


カッコイイ…
あなた

は、はい。

亜嵐を裕太さんはおぶって私の隣を歩く。
てか、会って1日なのに…?


まって、私…今思い出したんだけど…
その前に会ってる気がした。
あなた

あのっ、裕太さん。

中務裕太
何。
あなた

私の事知ってます?

中務裕太
…うん、バイトの子。
あなた

そ、そうです!
それとその前にも会いませんでした?

中務裕太
…会うてへんよ。
え!!


私、勘違い??


やばい、そんなことしてた…
恥ずかしい…
あなた

そ、そうですよね!ですよね…

もしかして、って思ったけどやっぱ、あれはお客様だったかぁ、
中務裕太
おかしい子。
あなた

よく言われます…

カッコイイひと。


優しい人だけど…


多分、相当な人見知りなんだろう。


会話が弾まない。
私たちの不揃いな足音が夜の道に響くだけ。


…気まずい…なぁ。
そんな中、亜嵐はずっと寝てる。


本当に馬鹿なのかな、
中務裕太
…っも
あなた

大丈夫ですか!?

裕太さんが、重っっていったようにきこえた。
中務裕太
ん。大丈夫。
あなた

こいつ、ほんとに後でしばいておきます。

中務裕太
…怖。
あなた

うっ…

やばい、またいらないこと言っちゃった…


気をつけろって、莉子にも言われてるのに…
中務裕太
陽気な人やな。
あなた

陽気すぎて困るぐらいです。

中務裕太
ふ ~ ん…
また、止まる会話。


結構、続いたと思ったけどやっぱ、無理だった。
私、これから裕太さんとバイトやっていけるか


心配になって仕方がない。


亜嵐と一緒にもう一度探そうかなとか思ったけど


なんか、やっぱ、このバイトがしたくて


辞めることなんて出来ない。
ただ、私は横から裕太さんの男らしい横顔を


じっと見てるだけで心が温かくなった行くのがわかった。

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