第48話

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2019/08/19 14:36
授業も入ってこない。


次テストなのに…


また、亜嵐に馬鹿にされるよ…
授業を終えて片付けていたら
中務裕太
またな。
そう隣で呟いた裕太さんが私と目を合して微笑んでくれた。


わぁ…


心臓が止まらない。


ドキドキ言って、おさまらない。


頭の痛みも治まらないけど


心の痛みも治まらない。
あなた

…っ

思わず手が止まって
あなた

またっ、裕太さん。

声に出していた。
そしたら、裕太さんは後ろ姿だけどコクリと頷いて
数原龍友
またなぁ!!
大きな声の龍友さんが私と莉子に手を振った。
あなた

あ、また!

横田 莉子
また!
一瞬、裕太さんと目が合った気がした。


…そんなことないか。


自意識過剰…だ!
ほんの少しだけ頭の痛みを忘れかけていたけど


戻ってきた…
横田 莉子
よし、あなた。
話を聞かせてもらう!
あなた

あ、そうだった…

授業中、裕太さんと頭痛のことがいっぱいでそんなこと忘れていた。
横田 莉子
忘れてたなんか言わせないよ。
あなた

覚えてたって!

横田 莉子
ほんと ~ ?
あなた

うん!

横田 莉子
なら教えて?
莉子にちゃんと話した。
横田 莉子
なんだ ~ 、まだ途中なの!
あなた

と、途中って…

横田 莉子
ふぅん、なら今日可愛くしていかなきゃね。
あなた

え?

横田 莉子
今日は2コマしかないから!
さ!あなたの家お邪魔するね!
あなた

え!なんで!

横田 莉子
服選んであげる!
莉子は相当のおしゃれさんで


よく、ネットとかで服関係のお仕事の依頼も


貰っているらしい。


だけど、それを受け取らないのも莉子らしい。
授業を終えて


莉子にバレないようにこっこりと頭痛剤を買って飲む。


これでちょっとは緩和されるよね。
そして、私の家を興味深そうに入ってきた。
横田 莉子
わぁ、ザ ・ 女子だね。
あなた

…そんなことないよ。
コーヒー飲める?

横田 莉子
あ!飲めるけど砂糖二つ!
お決まりの莉子の甘党。


必ずコーヒーを飲むときは砂糖二個。
キッチンで1人になった時。


やっぱ、頭痛は薬では治らない…


お願い、治ってよ…!!
横田 莉子
あなた?
あなた

え?

横田 莉子
どうかした?
あなた

ううん!今持っていくね?

お盆に私と莉子のコーヒーと莉子の砂糖を持っていく。
はぁ、私こんな調子で裕太さんと一緒に居られるだろうか。


そのことが心配で


服なんか正直どうでも良くなった。


ただ、裕太さんの目の前にいる私が


正常であって欲しい。


なりたい。


その一心だった。

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