亜嵐side
あなたから好きな人が出来たと伝えられて
いつものテンションでならいけるかな、なんて
考えた俺。
けど、あのテンションで言っちまった…!
ほら、あなたびっくりした顔。
変な嘘。
素直になれねぇな、俺は。
こうして、あなたみたいに素直になれたらいいのに。
その笑顔、大好きで
ずっと俺が隣で見ていけるのかな ~ 、なんて
思ってたけど、まぁ、現実は甘くないみたいで
自爆した。
.
今日は土曜日であなたと飯行きたい…
あ、迷惑じゃねぇっかな。
亜嵐となんかもう行かないよ?って
言われたら、俺おしまいだよ?
どくどくとした心臓。
prrrrrrrrrr
え、機嫌悪。
どしたの!
なになに
嫌なの!?
はっきり言ってくれ!
俺のメンタルが持たないです。
よかった、笑ってくれた。
あ、寝起き?
だから機嫌悪かったのか。
そう言って雑音の入る電話。
スピーカーにでもしてたか?
それで、携帯落としたとか?
あなたの行動は面白い。
そして、可愛い。
きっと、俺の思いは届かないんだろうな。
今のあなたには俺じゃない誰かがいる。
隣に居るだけじゃダメなんだ。
あなたにどう思われるかが必要で
今の俺を好きになってもらうことなんか出来ない。
どうすればいいんだ ~ 。
家のソファにゴロンと寝転んで考える。
自分の恋も頑張りたいけど
あなたの恋も応援したい。
これで、俺の事好きになってくれたなら
一石二鳥なのにな。
恋って難しい。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!