朝も夏と比べて冷えてきたこの頃。
寝癖の着いた頭を起こして洗面台に向かう途中。
たまたま、目に入った時計。
9時50分…
!?
綺麗な二度見。
やばいって!!!!!
人生初の大学生での寝坊。
ああ、昨日、なかなか寝付けなかったからだ。
早く明日がこればななんて
ずっと考えていたら眠るにも眠れなかった。
急いで支度をする。
居残りだけば絶対避けたいんだ。
バイト遅れちゃうから。
ご飯も髪の毛も適当。
ご飯は食べず、髪の毛はいつもアイロンで整えるけど
今日は髪をひとつに結んだ。
やっぱ、短いから襟足とかの毛が出ちゃう。
気になる。
いつもと違う髪型だし首元が涼しい。
定期を片手に駅まで走った。
.
亜嵐が怯えたように口元に手を持ってきてプルプルと震えてる。
流石の隼に言われてちょっと落ち込み気味の亜嵐。
いつも通りの楽しい大学生活。
相変わらず莉子と隼はラブラブで見てて微笑ましい。
そんな幸せな時に邪魔してくるのがこの男。
私の肩をつんつんと突っついてくる亜嵐。
最近、亜嵐のスキンシップが過ぎてる。
別に嫌じゃないんだけど、どうしたんだろって思えてくる。
次のコマ、私と莉子授業だから
行かないと、莉子に伝えて、立ち上がった時。
やばい、なんでいるんだ…?
たまたま一緒だとか聞いてない。
私よりひとつ上なら2年生…
授業被らないかな…
私は裕太さんから目を離すことが出来なかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。