第51話

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2019/08/21 22:03
裕太side
ノリで誘ってみたけど


ちょっと、今、余裕がなくなってきた俺。


…可愛すぎんねんけど。


聞いてへんよ。
あなた

裕太さん?

そう俺の横からちらっと顔だけだして


見つめてくるんも、心臓に悪いねん。


…やばい
中務裕太
ん?
あなた

ボケっとしてますよ?

中務裕太
ん ~ 、どうやろか。
谷に見透かされたくなくて隠した。
…いつも斜め後ろを歩く谷なのに


今日はちゃんと横を歩いてくれる。


…誰にも渡したくない。


俺だけのものに…




完全、谷の事が好きやん。



…好き
そう実感すると谷の顔を見てたら自分の顔が赤くなるのを感じ、
あなた

えっ、裕太さん!?

中務裕太
…なんでもない。
あなた

えっ!顔赤いで…

咄嗟に、谷の目を塞いでいた。


…熱い、谷。
こんなだっさい姿見られた無い。
中務裕太
…よし、帰ろ。
あなた

まだ、上の服しか買ってないですよ!

中務裕太
ええねん。
あなた

いいんですか!

中務裕太
帰ろ帰ろ ~ 。
ショッピングモールの外に出ると冬の夜でめちゃくちゃ寒い。
今にでも雪が降ってきそうな空気。


冷たくて


切ない


そんな空気。


しばらく歩いて、谷の駅に着いた頃。
谷を横目で見るとこんなに寒いのに顔を真っ赤にさせてる。
中務裕太
谷?
あなた

…はい?

中務裕太
暑い?
あなた

…暑いです、すごく。

こんな寒いのに暑いっておかしない?


え、もしかして
中務裕太
谷ちょっと触るで?
コクっと頷いた谷。
谷のおでこに触れると火傷しそうな程の熱さで
中務裕太
熱あるやん!
あなた

…大丈夫だと思ったんですけど、

へへっと笑うから


なんで、気づいてあげれへんかったんやろうか


自分を責める。
中務裕太
送る。
あなた

え?

中務裕太
家まで送るで、ほら。
おぶって帰ろ。


そういうと、更に顔を赤くして横に首を振る。


早くしんと、更に悪化する。
無理やり谷を俺の背中に乗せた。
重い重い心配してくるけど全然軽い。


熱を持ってる谷の体から熱い熱が背中に伝わってくる。
相当やな、これ。
歩いてたらスースーと可愛らしい寝息が聞こえてきて


思わず、笑ってしまいそうになった。
中務裕太
可愛すぎやん…
できるだけ早く谷の家に着いたけど
鍵も持っとるわけないし、


ちょっと戸惑う。
中務裕太
谷、谷。
あなた

…あ、

起きようとするで
中務裕太
いい。寝とっていいで鍵ちょうだい。
ごめんなさい、とか細い声の谷。


熱い手から鍵をもらって開ける。
中務裕太
お邪魔します…
あなた

もう、大丈夫です、

中務裕太
寝室どこなん?
あなた

裕太さんっ、

中務裕太
今日は甘えとき。
あなた

…はい。

谷に言われるまま、寝室について谷をベッドに下ろす。
布団を掛けてやって、


キッチンを借りて
中務裕太
これ、
おでこに冷えピタを付けさせた。


谷が着替えて、化粧落としてた。


女子って大変や。
あなた

…っめた

中務裕太
ふはっ、大丈夫大丈夫。
あなた

…ごめんなさい、裕太さん。

中務裕太
え?
熱でとろんとしている目で俺の事を見つめる。


あ ~ 、それあかんて。


いくら俺やからって信用されても一応男やねんで。
あなた

…また、遊びに行きたいです。

布団をぎゅっと握る谷。
…やばいなぁ、これ。
中務裕太
…行こ行こ。俺も行きたい。
あなた

ほんとですか?

中務裕太
うん。
よかった、そう微笑んだ谷。
中務裕太
早く寝や?
谷の横に座っておでこを撫でた。


近くで見るともっと可愛く見える。
いつもは化粧でより可愛いけど


すっぴんはすっぴんで幼くて可愛い。
長いまつ毛とちっさな鼻。


白い肌。


触りたくなってしまうようでめっちゃ魅了される。
あまりにも見つめてしまって
あなた

あのっ、裕太さん。
そんなに見られると寝れません。

中務裕太
あっ、ごめん、笑
あなた

…もう寝られません。

中務裕太
寝てくれや。
あなた

…裕太さんがいる限り寝れません。

中務裕太
なら、俺が居なくなればいい?
そうですね、と笑う谷を想像していた。


けど、想像を遥かに超えて
あなた

…居なくならないで欲しいです。

なんて、爆弾を落とし続ける谷。
可愛いこと言うなよ、ほんまに。

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