第30話

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2019/08/11 14:30
裕太side
中務裕太
交換しよ。連絡先。
そう言ったらボケっとした顔でうんうんと頷く谷。


ほんま、飽きんわ、この子。
若干震え気味の谷の携帯を持つ手。


なんで、そんな震えとるん、笑
"  追加されました  "


そうでてきた俺の携帯の画面。


俺は即


" あなた "


となっていたなまえを


" 谷 "


に変えた。


特別感あってええやろ。
あなた

ありがとうございます。

中務裕太
ん、なら、写メ忘れんといてな?
あなた

はい!もちろんです。

谷、可愛ええ。


笑うと可愛ええねんなぁ。
この、ニコッとしたら出来るえくぼとかめっちゃハマる。
って、、あほや。俺。


何言ってんねんやろ、
こいつには彼氏がおる。


あんなイケメンの彼氏やったし。
てか、好きちゃうで?


あかんあかん、勝手な妄想膨らんでまう。
あなた

裕太さん、彼女さんは大丈夫なんですか?

中務裕太
彼女?
あなた

私となんか交換して怒んないですか?

しかも、そういう顔、めっちゃ寂しげ。


なんで?
中務裕太
ん ~ 、大丈夫、それにもぅ…
あなた

ほんとですか!よかったです!!

もう別れた


そう言おうとしたのに谷めちゃくちゃおっきな声で


よかったよかった


言うで、言えへんかった。
中務裕太
あ、おう…
あなた

あ、早速写メ送りますね?

中務裕太
あ、頼むわ。
そうして、入ってきた通知。
"  谷が写真を送信しました  "
ウケる笑


自分で設定しといて笑える。


やっぱ、俺、センスあるわ。
あなた

送りました!

中務裕太
ん、きたきた。
青色の雲の背景には


俺と、谷の笑う写メ。


俺、めっちゃ笑てるやん。


やっば。


こんな笑っとったのに谷凝視しとったで?


わぁ、ひかれた。笑
やけど、俺の隣に並ぶ顔のちっさい女の子。


谷得意のボケっとした感じも醸し出しながら


しっかり笑ってさ


うん、可愛い。
店長
なになに ~ 、写真?
あなた

はい!裕太さんとのツーショット頂きました!

店長
おっ、やるなぁ、あなたちゃん。
俺まだ裕太と写真撮ったことないのに!
あなた

やりました ~ 。

グーと親指を立てて店長にむける。
中務裕太
店長、撮ります?
店長
え、撮る!
私は大丈夫、と言わんばかりの顔しとる谷。
俺、優しいからさ
中務裕太
谷、入り?
声掛けた。


だって1人にしとくの可哀想やん。
あなた

いいんですか?

店長
うん!いいよ!
中務裕太
ん。特別やぞ。
あなた

はい!

元気よく入ってきて聞こえるシャッター音。
撮れたことを確認して店長と谷に送る。
店長
おっ、ありがとう!裕太!
中務裕太
いえいえ、とんでもないっす。
あなた

ありがとうございます。

中務裕太
ん!
楽しいわ


なんか、そう思ったのは久しぶり。
けどそんな楽しい時間はあっという間って言うやん。
あなた

あ!やばい!電車逃した!

となりに座る谷を見ると明らかに愕然とした顔で


時計を見つめてた。
中務裕太
そろそろ帰る?
あなた

はい、この時間帯の電車で帰ります!

店長
気をつけてね、最近ここらへん物騒らしいから。
まじ?


谷、やべぇじゃ…
あなた

はい!そんなのへっちゃらです!

馬鹿。あほやこの子。
中務裕太
そうやって言っとる奴ほど襲われんねんで?
あなた

え?私?

気づいてへんもん。
1から叩き込まなあかんか?
中務裕太
今日、俺着いて帰る。
あなた

え!?

店長
そうしてあげな!安心だし!
中務裕太
はい、
店長
じゃおつかれ、
お疲れ様です。


と、言って外に出ると寒くなってきた風か肌を直撃。
中務裕太
ほら、行くで ~ 。
あなた

はいっ…

それにしても一向に話そうとしいへん谷。


ちょっと後ろにおるし


立ち止まってみたら驚いたように谷も立ち止まる。
中務裕太
…どしたん。
あなた

え?

中務裕太
嫌や?俺と帰るの。
あなた

いや!とんでもない!
むしろ有難いというか…なんというか…

よかった。


嫌やって思われとったら今すぐにでも走って帰りたかったけど


帰りたくなくなった♡


こんな内心絶対谷に見せられへんけど


俺の内心こんな感じや。

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