第2話

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2018/03/18 03:04
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誰かの声が微かに聞こえる。



困っている声。泣きそうな声。
母親
梨衣!!!!!
梨衣
マ…マ………?
母親
梨衣!梨衣!
よかった!!!もう!無事でよかったわ!!
梨衣
……





母は泣きながら私の手を握った。
梨衣
ママ、なんで泣いてるの……?
母親
だって…!
梨衣
お兄ちゃんは?
梨衣
梨衣は何してたの?
梨衣
ママ?


母はしばらく泣いてて答えてくれない。
梨衣
もう!何が何だかわかんないよ!



私は起き上がろうとした。

けど、動くと痛くて。



梨衣
…っ!痛い、
母親
寝てなきゃだめよ!
これから傷が開いたりしたら大変よ!?
梨衣
ママだって、怪我、だいじょぶなの?
母親
ママはいいのよ
梨衣が生きてれば、ママは死んだっていいのよ
梨衣
それは莉緒が嫌だよ〜。
梨衣
それより、お兄ちゃんにあわせてよ。
母親
お兄ちゃんは…ダメよ。
梨衣
なんで。
母親
お兄ちゃんは連れてかれたから。




連れてかれたの?




どこに?
梨衣
どこに?
母親
隣町のお部屋よ
梨衣
お部屋…?…
隣町の……?
母親
そう。
乂乂公園の少し先にあるじゃない。

偉い人たちがいる建物の裏の小さなお部屋よ。
梨衣
そうなの…?お兄ちゃんはもう、帰ってこないの…?
母親
それはまだ、あなたには言えない。



そう、小さな声で吐き捨てるように言った母は、私を1人見知らぬ病室に残し






出ていった。





梨衣
隣町の…お部屋…。
梨衣
会いたいな…。颯仁兄ちゃん



ベッドに寝たまま


私はぼやく。
梨衣
つまんない。、


と、梨衣は起き上がった。


体が痛い。
梨衣
〜。こんなに包帯巻かれたの生まれて初めてだよ〜…。















少し汚い病室の重たい扉を開ける。






外から声がする。
梨衣
ママ…?



読んでいるけど母が気づく様子はない。
母親
そうですね…。あまりにも悪態を着く××〇、
××××構いません。




何を言ってるのかあまり聞き取れない。
市長
分かりました。
母親
そうね、生かしておいて
ほかの人間にも颯仁の免疫が付いては大変です。

×××××ましょうか。
梨衣
……お兄ちゃんの話…?
市長
承知致しました。
そのための檻ならいくらでもあります。
母親
ありがとうございます。
市長
しかし…いいのですか?大切な息子さんを…。
母親
いいんですよ。もうああなっては息子ではありませんし。

第1、あの子達は私の子供じゃありませんので。
梨衣
……?





檻…?部屋…?子供じゃない…?××?




今の私には理解できない単語が飛び交う。

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