さて、どうしたものか。
え、何が起きてるか…って?
元片思いに迫られてるんですよッッッ!
テーブルに身を乗りだしてくる理仁。
なんか少女漫画で見たことあるよ、こんなの。
…もうやだこの人。
振ったんならスパッと関係切りなさいよ!!!(泣)
実はお酒酔ってるだけでは…とも思ったが、理仁の近くにグラス等は見当たらない。
ならば…
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しつこい奴は塩対応しとけばそのうち飽きる。
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この経験を活用しない手はないであろう。
この人どうしたの。ん?
ゑ、ゑ、ゑ…?(思考停止)
理仁がワイヤレスマイクを持って
元クラスメイト達が一斉に"舞台に"向かって振り向いた。
視線の先には勿論私と理仁。
両肩を掴まれ、前に突き出される。
…公開処刑なんですけど。
あ、君。
名前忘れたけどシンプルに好きよ。(ゑ)
あ、皆ありがとう。
理仁がぴしっと指を指した先には確かにさっきの人が。
…さて、ここからが問題である。
私の肩をぎゅうっと抱き寄せた彼は、即効性の毒を私に投与した。
しぃん、と一瞬静まりかえる同窓会会場。
その沈黙を破ったのは。
紛れもない、私の悲鳴でしたとさ。
そして、その毒の効果は_「顔を赤くする」なんて質の悪いものだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。