わたしの初めての恋人。
タカムラくん。
今、タカムラくんの手を握りしめ、
わたしは飛行機を見上げている。
相田さんは、見送りを断ったけれど
どうしてもどうしても
相田さんを見送りたくて
相田さんのお母さんに頼みこんで
旅立つ日を教えてもらった。
恋愛なんてまだはやい。
わたしがその想いにとらわれて
遠回りした分、
みんなとすれ違い
みんなを傷つけた。
相田さんと一緒に過した時間。
相田さんといたからわかる。
だから尊重したかった。
1人で旅立つ彼女を
わたしは
見送った。
相田さんを乗せた飛行機は
飛び立った。
タカムラくんは
首を傾げている。
わたしには
恋愛なんてまだはやい。
伝えないー。
伝えられないけれど。
誰よりもまっすぐ熱い想いがあるー。
そんな後ろ姿は
潔く、
凛々しくカッコよすぎるよ。
タカムラくんは、
わたしの初めての
好きになったひと。
ぎゅっと手を握りしめる。
未来がどうなろうともーーー。
今はただ、
ぎゅっと手を握りしめる。
おわり。
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