わたしたちは、
バラバラになった。
タカムラくんと烏山くんも。
私とミイコも。
かろうじて、
相田さんとわたしは
一緒に行動しているけれどーー。
烏山くんとミイコも。
あれだけラブラブだったのに
あの日以来、
一緒にいないどころか、
ミイコは、私たちのクラスに
やってこない。
噂好きのクラスメイトたちは、
人の不幸は蜜の味とばかりに
聞きたがったし、話をひろめたがった。
そして、
密かに、
烏山くんを好きな女の子たちや、
ミイコを可愛いと狙っていた男子たちは
色めきたっていた。
失恋の後が狙い目とばかりに。
それに、
わたしたち、5人グループが
バラバラになったことで、
タカムラくんを好きな女の子たちも
喜んでいるようだった。
ミイコだけじゃない。
わたしだって、
誰も信じられない。
誰を信じていいのかわからない。
好きだったはずのタカムラくんに
まさかの告白をされたのに。
最悪なタイミングで。
最低なシュチュエーションで。
言葉に詰まる。
言いたくない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!