晃一 side
あなたは父親を物心着く前に亡くしてる。飛行機事故だった。
俺とあなたの家は祖父母の代からの付き合いだから何かあった時は助け合うというのが結ばれており、うちの会社が大変な時は助けてくれたし、そんな中だ。
俺にとっても妹みたいな存在のあなたは、学校で困ってたら何度も助けてた。俺らの存在もあってよく思わない人達からいじめを受けてたのも知ってる。
それでも俺らから離れなかったのは、あなたが一人っ子なのと母親に心配をかけたくなかったのもあって頼れるのが俺らしかいなかったのもある。
そんなあなたの様子が変わったのが中学一年生の時だった。
母親から再婚の話が上がった時期だ。
あなたは嬉しそうにこう伝えてきた。
あなたは俺らに心配かけないように伝えてたつもりみたいだが、あの時の不安そうな顔は忘れられない。
あなたは母親に幸せになってもらいたいその思いで「いいよ」って言ったんだと思う。
でも、あいつは根っからの人見知りだ。父親と仲良くなれるかが不安だったんだろう。
再婚してからあなたは放課後に俺らのたまり場であるここで過ごす時間が増えた
俺が仕事で早めに帰る日は、俺の家で過ごしていたが、帰る時にはいつも不安そうな顔をしていた。
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バーン
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。