あのあとの私はどうやって家に帰ったのかも覚えてなくて
ただ学校を休んで駿佑の傍にいた
『(どうか目を覚ましますように…)』
そんなことにしか出来ない自分の無力さに涙が出てきた
ガラガラ
遥菜「あなた…連絡くらい返してよ」
『ごめん…スマホ見てなかった』
遥菜「友達だからいう。親友だからいう。」
『え?何…?』
遥菜「しっかりしてあなた!!あなたまでこんなに弱ってたら道枝が心配するでしょ?」
『でも…でも…』
遥菜「辛いのは痛いほどわかるよ。だって私があなたの立場だったら無理だもん」
遥菜「だけどね…私は笑顔のあなたでいてほしいの…」
ぜんぜん前を向けない私に遥菜は怒ってくれた
そして一緒に泣いてくれた
『遥菜、ほんとに心配かけてごめんズズズ』
遥菜「ちょっとしっかり者あなたなんだからしっかりしてよねズズズ」
『うん、ほんとありがとう、、』
〜病室の前〜
謙杜「早くみっちー目覚ませよ…」
「遥菜も辛かったよな…俺も辛いし…」
謙杜「でも1番辛いのはあなただから俺たちで支えないと…」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。