-Azul said-
この祭りが、さいごですね。わかっている。あの便には乗ってはならないことくらい。わかっているけど、時間が無いんだ。どうしても、ずらせない。何度ずらそうとしても、ずらせなかった
彼らから2度目から何度も送られるあのお守りは、はっきりいって失敗作だろう。本来何度も使えるはずのものは、1度も発動しなかった。一体何を間違えたのか。僕には分からない。
ひとまずは、この祭りを楽しむとします。
綺麗。あの時の何倍も。彼らはまるで、初めて見るかのように語る。何度もこの光景を見ただろうに。
まあおおよそ、僕が彼らと同じとは思っていないんだろう。
でも、この花火が終われば、祭りも終わる。
それを2人もわかっているからか、少し悲しそうにも見える。そんな表情が、いつもより、ずっと綺麗だった。
整った顔にうっすらかかる花火でできた光と影。好きだけど、次は来年の祭りで見たいと思う。
花火より彼らを見てしまう自分は、彼らにどう写っているのだろう。少し気になってしまった。
無論、そんなことは聞かないが
はあ、聞こえていることをわかって話しているんですかね。とにかく確信が着きました。彼らですらわかっていない。しかし、複製するのは嫌なんでしょう。今までの時間がありますから
……そんなこんなで最後の祭りが終わりました。この後、彼らからお守りを貰ったら解散。帰りは1人です。彼らが居ない方がいい。2度目からはずっとそうしていますから。
さあ、あの神社の下で、この世界最後の会話を
来ましたね
~神社~
本当はわかってる。なぜそんなに心配するのか。僕があの便に乗って死んだからだ。
さて、そろそろ時間ですね。
さあ、帰りです。明日はもう出なければ行けませんから。これが最後の休息
ここの道こんなに暗かったでしょうか?あの二人がいないだけで、こんなになっていてはダメですね。
でも、不安になってしまう。該当に照らされた影が自分のしかないことに違和感を覚える他ない。
改めて感じさせられる。1人きりだと。大丈夫。お守りとして彼らはいる。自分を信じればいい
さあ、行きましょうか
-Leech said-
あーあ。渡せたからいいけど、やっぱ怖い。あれが効果を発揮するかどうかなんて賭けだし
そもそも、作ればいいじゃんってなるけど、最初のが1番気に入ってるから
どうしようにもないんだよね
完全にまた今度。
今日が滲んでいく。これが自分の涙なのか別の何かなのかは分からない。ただ、悔しい
アズールがこれで行かなくなるとは思えないから
でも、言いたい
その中でも、唱え続ける。呪いのように
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!