撮影が終わって
家に2人で帰る
「樹!」
樹「ん?」
家に帰ると嬉しそうに振り向く樹
「隠すってこと忘れてない?喜んじゃってるじゃん」
樹「いや、まじごめん。ちょっと嬉しくて」
「どーゆーことよ」
樹「んー、詳しくは聞かないで?」
そんな樹をよそに私はシャワーをさっと浴びて
リビングに戻った
なんとなく樹の背中に抱きつきたくなって
ソファーに座ってる樹を後ろから抱きしめた
樹「あなた?」
不思議そうに私の手を包む
樹「あなた、こっちおいで」
そうやって樹の前に手を引かれて
そのまま抱きしめられた
樹「なんかあった?」
なんかあったかな
そう考えて
あー、あったなぁなんて思った
「樹が私を女扱いするから」
そう言うと樹はケラケラと笑った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!