そんな波乱なリハを見終え
家に帰る
もちろん隣には樹がいる
「俺もう元気なのに」
樹「北斗がよかった?」
「・・・樹かな」
北斗のことだから
トイレに歩いていくことすら許されなさそうで
そんなことを想像すると
樹の方が数倍楽
樹「まあお前が寝たら帰るから」
「樹も寝そうじゃん」
樹「そん時はそん時」
玄関の鍵を開けて
今日のレッスン着やらタオルやらを洗濯機へ放る
「樹、洗濯物は?」
樹「病人は寝てろって」
「いいよこれくらい」
倒れた後はびっくりするほどなんもなくて
頭痛も消えたし気だるさも消えた
熱なんか多分ない
樹の洗濯物も入れてピッとボタンを押した
樹「はい、寝てー」
「なんで!樹なら許してくれるんじゃねーの?!」
樹「優しいじゅったんでも許しません。はい、寝る」
ポイッとベッドに寝かされ
その横に樹がそっと腰を下ろした
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!