どっかのおばかのせいで全く集中出来なかった
樹「なぁ、真面目な話」
「なに」
さっきまでのへらへらが無くなって
真面目な彼の顔が目の前に
樹「隠さなきゃだろ?危ない時フォローしてやるから」
それ、と私の胸を指さす
「あー。普段サラシ巻いてるんだよね」
樹「じゃああれだ、昔事故した傷とかにしとくべ」
「おぉ、いいじゃんそれ」
樹「だべ!!ホテルの部屋とかさ、なるべく俺とか1人かにした方がいいよな」
「そこまでしなくてもいいよ?」
樹「いや、俺だけが知ってたいからバレないで欲しい。お願い。まじで。」
困ったような顔をして
両手を合わせてお願いしてくる樹
そんな彼を可愛いなんて思って
「わかった、お願い」
なんて言うと
嬉しそうに笑って
樹「まかせろ」
と言って私の頭を撫でた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!