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第1話

運命の恋
84
2018/12/28 13:13
私は、小学校5年生の時、恋をした

甘酸っぱい、穏やかな恋だった

けど、あの人は転校してしまった

それっきり、初恋以来の運命的な恋はしていない








やばい、ねむい…
ってかまだ9月かよぉぉ。
高校一年生になって5ヶ月がたった頃、山崎心美はもう、高校生活に飽きていた。
4月の頃は、「うわ、これが高校のブレザーか!」とか、「行事、めっちゃ楽しそうなのばっかじゃん!」とか言っていたが、最近は「勉強難っ」とか、「やばい、めっさうちの顔ブス」とかを友達に愚痴っていた。
「ねぇ、心美ー」
「なにー?」
黄昏ていたら、友達の真鈴(まり)が話しかけてきた。
「あんたさ、小5以来恋愛してないんだってね」
「そうだけど、何?爆笑」
「8組に、めっちゃかっこいい奴、おるで」
「え、まじ!?」
心美は、正直、かっこいい人なら誰でもいいと思っていた
「しらなかったー。」
「だってここから遠いもんね、ここ1組だし、8組プレハブだし笑笑」
心美のクラスは、校庭からみて左側の校舎の1番端っこにあり、8組は校庭からみて右側の方にプレハブがあった。
「心美、会いに行こ?」
え、でも…と躊躇したが、真鈴は「行こいこ!」とうるさかったので、仕方なく行くことにした。





8組に行くと、7組の女子と思われる女子で溢れかえっていた
「えっとー、どこにいる、どこにいる…って心美、探しなさいよ」
「はいはい、分かったよー」
仕方なくそう言うと、廊下の方から女子の悲鳴が聞こえた
「きゃー!、稲崎健人様よー!」
「きゃー!、今日もかっこいい!♥」
あら、今、なんて言った?
「心美、あれじゃない!?」
「え、あ、うん、名前、なんて言った?」
「確か…稲崎健人?だっけ」
名前を聞いた瞬間、心美は頭が真っ白になった
え、稲崎健人って、まさか…
「ぉーい、おーい!心美ー?」
「はっな、なに?」
「かっこいい男子、あっち行っちゃったよ?」
「え、まじで!?追わなきゃ!」
心美があまりに積極的になったので、真鈴は少し驚いた表情をしていた。
「そうだね!」
そう真鈴はいい、心美のあとを着いて行った





校内を走り回り、疲れたので体育館の近くにある冷水機へといこうとしたら、体育館の隣の廊下に1人健人が立っていた
「あっ、いた!今1人じゃん!」
「心美、チャンス!」
「う、うん!行ってみる!」
そういい、心美はキョロキョロしながら行こうとした
すると
「あ、健人くん!」
「おう、美咲、一緒帰るぞ」
「うん♡」
そういい、校庭の方へと姿を消した


「え、あれって」
「彼女もちじゃーん!心美、残念だったね!」



心美は悲しくなった





やっと、また貴方に恋が出来ると思ったのに

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