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雨だ 。
どれくらい … 歩いたんだろう …
そんな私の声も 雨に かき消される 。
ご主人様 … もし迷子になって … 。
でも … こんなに奥には 来るはずない よ … ね。
少し 引き返した方がいいかな …
そう思い 私は 後ろを振り向いた 。
ご主人様 を探していたはずが いつの間にか 自分が迷子になっていたなんて 。
でも … 今 私に出来ることは …
ご主人様を探すこと 。
ご主人様に何かあったら … …
そんなの っ …
メイドじゃない 。
1人の人間 イ あなたとして 。
耐えられない 。
だから私は 歩き続けた 。
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しばらく 歩いていくと 意識が朦朧としてきた 。
何度も 何度も呼びかける 。
その時 こっちに走ってくる 人…
私の意識は そこで途切れた _____
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!